1分程度で読める、掌編小説集です。「こちら」から、他の掌編小説を読みにいけます。
異世界に転生して獲得したチート能力。その名も、想終編。効果は一つにして単純明快。俺が何かをやろうと思った時、それはもう思ったその瞬間には終わっている。全ての過程を無視して結果だけを実現する最強の力だ。
トラックに跳ねられて死んだ俺の前に神様が現れた。
「最近は第2の人生を与えるのが義務化してきたんじゃ。お前さんも、異世界に転生してチート能力を使ってみたいか?」
「はい」
俺は躊躇うことなく返事をした。
するとすかさず神様が光のゲートを作り出す。ゲートの先には、何やら暗い雰囲気の世界が広がっていた。
「では、この世界を救ってもらおうかの。能力はあちらに着いた瞬間から使えるようになる。頑張るんじゃぞ」
「分かりました」
ついに俺も異世界デビューができる。そんなことを考えながらウキウキ気分でゲートをくぐり抜けた。
たどり着いた大地を踏みしめ、冒険の始まりを彩る決意を胸に刻む。
絶対に、この世界を救ってみせる。
そして世界には平和が訪れ、俺の冒険は幕を閉じた。