目覚め
プロローグのくせに中身無いしなげーな
例えば。
異世界に転生したとしよう。理由は問わない。多くは交通事故になるだろう。
普通なら日本語が通じる。通じなくても、転生なら言語で困ることはない。
言語は表層的なものだ。中高で英語を習ったのと同じ、むしろ現地で何年も学んでるのだからそれ以上に言語は自在に操れる。日本語と大して変わらないだろう。
ファンタジーなら魔法とかも覚えなければならない。
だが、それも子供のころからやっていれば可能である。転生なら、努力の時間はいっぱいあるだろう。
異世界の持つ独特な法則は、慣れればなんてことはないのだ。
前世の記憶を持っているなら、それを利用できるかもしれない。
でも俺は、自分が記憶をもって産まれたことを後悔していた。
目覚めると、母親がいた。
元の世界ではなく、新しい世界のだ。多分俺は今4歳くらいだ。恐らく記憶が戻るのは脳がある程度発達してからなんだろう。
考えてみれば、今でも少し思考が鈍い気がする。
「えーと…ステータスは…」
独り言を呟きながら俺は当然のようにステータス画面を開く。
知らないはずなのに、ステータスの開き方は知っている。
恐らく、体が覚えているのだろう。
マコト・ムラサキ
能力値
力 56
持久力 66
魔力 75
抵抗力 47
装備
普通の服(効果なし)
攻撃力56
防御力56
HP113
MP150
スキル
ステータス確認(入門)
相場がわからないが、中の上くらいだと思いたい。
とりあえず同じ数値を探してみると、攻撃力と防御力が力と一緒だということに気付いた。
力をもとに計算されるのかもしれない。
他は…頭が回らないから後にしよう。
スキルの欄は、ステータス確認がある。つまりこれはスキルってことだろう。
しかし、一つ気になるところがある。レベル・経験値の欄が一切ない。
勿論元の世界にもそんなもの一切なかったが、他のステータスが可視化できているのにレベルが表示されないのはおかしい。
もしかして、ここは才能がすべてものを言う世界なのか…?
そうだとしたら、この能力値は人生を左右する可能性がある。折角転生したのに、努力が実を結ばない世界に行きついてしまうのはあまり良くない……。
とりあえず、一人で出歩ける年齢まで父親と遊びながら時間を潰そう。なんかわかるかもしれないし。
「パパーあそぼー」
それっぽくおねだり。
別に34歳としての記憶を持ったまま大の大人と2年近く遊び続ける事に後悔してるわけじゃない。
書き始めたからにはがんばっていっぱい書きますよ