密談 その6
ちょっとダン、今日配られてた新聞見たかい?
最近のあの子たち、ちょっと仕事に怠慢が見られるようだけど、そこのところはどう思う?
赤目、血液の採集を開始した当初、まだほんの子供だったあの子たちも、今では大人と遜色ないほど大きく成長したけれど、あの頃のような素直さは無くなってしまったように感じるよ。反抗期かな。
私の息子や娘も、あのくらいの年はそうだったのかなあ。
え? あれ、言ってなかったっけ。私が自分の子供たちと共に生活をしていたのは生まれてほんの数年程度なんだよ。
ま、それから息子や娘に関しては何度か目にする機会があったから、どう成長しているのかは知っているんだけどね。
息子の方はどうやら色々問題を起こした挙句、ここから少し離れた町でしばらく身を潜めていたようだけど、少し前にこの町に来たらしい。今はまたどこかへ行っているようだけど。
娘の方は生まれが特殊だったせいで色々苦労してね。今はこの町にいるよ。
どうやら私の子供たちは、どう足掻いても不幸を寄せ集めてしまう体質らしい。
まあ、片親が私なのだから、それは逃れられない運命なのかもしれないけど。
あの子たちは世の中に汚点を巻き散らすことでしか生きていけないんだ。
まあいいや。話を戻そう。
とにかく、最近のあの子たちの行動は目に余るものがある。
死体の処理を怠って、警察に私たちの計画の全てが露呈してしまったらどうするつもりだい? まあ、警察の上連中とは私も君も面識があるし、よほどのことが無ければうやむやにしてくれるだろうけどさ。じゃなきゃ、こんな場所で新興宗教の真似事なんて出来ないしね。
それでも、警戒はするに越したことはない。あの子たちには少しお灸を据える必要があると私は思うね。
そうだな……五体に不足を出すのは今後の任務に差し支えるからダメだし……そうなると後は……思春期のあの子たちが確実にダメージを受けて、改心するような何か――――そうだ。
はは、なに、死ぬようなことじゃないから安心してよ。
ただちょっとだけ、痛い目を見てもらうだけさ。




