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密談 その5






 いやぁ、凄かったね、彼女。君ってМだったりする? いや、まさか奥さんがあんなに気の強い人だとは思わなくてさ。別に貶けなしてるわけじゃないよ。ただ、驚いただけ。


 そんなに機嫌を悪くするなよ。これから私たちが生き返らせる人物を、実際にこの目で見ておきたかっただけなんだ。


 それにしても、君のお孫さん……ミドナちゃんがいて助かったね、本当。


 彼女が体を提供してくれなければ、君の奥さん、エリスさんはこうして表に出ることは出来なかっただろうからね。


 ついこの間まで君が指揮をとっていた組織「エリス」も、今ではミドナちゃんが取り仕切っているのだろう? 正確には、ミドナちゃんの中にいるエリスさんが、だけど。


 肝心の君はエリスさんを生き返らせるための研究で手一杯だものね……研究自体は奥さんが亡くなった頃からずっと続けているんだろう? その過程で君は研究資金に困り、「エリス」を立ち上げた。表向きは医療機器を販売する会社としてね。


 本来の後継者――――メルヴィンくんが君の弟と一緒に組織を逃亡したと聞いた時はどうなるかと思ったけれど、まあ、現状としては最善だろう。


 彼らには、壁の守役を務めてもらっていた方が都合がいい。殺してしまうには惜しい人材だしね。ミドナちゃんには感謝をしなくてはね。私の息子の件については言及しないけれど。


 え? ミドナちゃんじゃなければエリスさんは体を借りることが出来ないのはどうしてか?


 そんなの簡単、血縁だからだよ。ミドナちゃんは現状、エリスさんと一番血の近い血縁の女性であり、おまけに魔力の底がないと言われている赤目。これほど好条件の揃った物件はないだろう。勿論、一つの体に二つの魂が同居しているという状態は宜しくはないけれど、それももう少しの辛抱だ。君がエリスさんの遺体を、亡くなった当時のまま保存してくれていたおかげで、体の方はもうじき修繕が済みそうだし。


 そうなったら、後は魔力をかき集めて彼女に直接送り込むことが出来れば、君の奥さんを生き返らせる計画――――「エリス計画」は完遂だ。


 君は晴れて亡くなった奥さんと第二の人生を歩むことが出来るだろう。


 となると、現時点の問題はやはり、赤目の採集か……来週から、いよいよあの子たちの任務が始まるからね。期待しているよ。


 世間は得体の知れない猟奇的殺人事件に恐怖するだろうけれど、私たちからしてみれば、何のことはない。ただのニュースさ。


 私たちはこうして座って待っているだけでいい。


 ……え? どうして私がこんなにも死者の蘇生方法に精通し、君に協力的なのかって?

 ふふ、内緒。でも、そうだな……一つ、しいて言うのなら。


 君は昔の私に似ているんだよ。


 とても愚かで滑稽だった、昔の私にね。



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