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ss 思い出

作者: jinafu

また会いたい。そう願うことも許されない関係。

彼には家族がいて、帰る場所がある。帰らなきゃならない場所がある。

それに比べ私にはなにもない。たった一度の過ちにすがって、自問自答を繰り返す私には、なにもない。

かつて彼と花見をした公園に、あの時と変わらず大きな桜の花が咲く。 あの頃とは違う場所に感じるけれど、あの頃と変わらないものがある。それだけでなんだか泣きそうになった。

彼が好き。だからこそ彼に迷惑をかけたくない。

でも忘れられない。だって好きだから。 だってとでもの繰り返し。 私の思いだけが一方的にぐるぐるとまわる。

彼が好き。だけど彼はそうじゃない。 彼にまた触れたい。触れられたい。

春は出会いと別れの季節。でも過去に縋る私には新しい出会いなんてやってこなくて。 ただ一方的に別れだけがやってくる。 どこかに行こう。彼と行った場所に行こう。彼との思い出を忘れないように。

彼と一緒に歩いた道を私一人で歩く。

寂しさと愛おしさに胸が押しつぶされそうになるけれど、忘れるよりよっぽどましに思えた。さぁ、次はどこに行こうか。


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