第18話 [嘘2]エイプリールフールの真実
今日はエイプリールフールだ。
とは言っても、私の彼氏は年中嘘をついているので、特に意味はないかもしれない。
その彼氏の涼くんは私の部屋でゴロゴロしながら漫画を読んでいた。
「北川、知っていたか? エイプリールフールの語源はフランスのお菓子なんだ」
「もう! 涼くん、また嘘ついてる」
「やっぱり、お前相手だとばれるか」
私は彼の嘘をつくときの癖を見破っており、彼の事は何でもお見通しなのだ。
伊達に横目で見続けてきたわけじゃない。
これが分かるのは多分世界で私だけだ。
「ねぇ、涼くん、いっそ逆に今日は嘘をついちゃいけない日にしない?」
「え? 俺に死ねって言ってるの?」
……嘘つかないと涼くん死んじゃうんだ。
泳ぎ続けなきゃいけないマグロかなんかなの?
「じゃっ、じゃあ、今日じゃなくて、三つだけでいいから私の質問に正直に答えるってのは、どう?」
「……まぁ、それくらいなら」
よし、言質は取った。
「じゃあ、一つめ! 私の事をどう思ってますか?」
「……まぁ、好き」
ほうほう、中々言い滑り出しじゃない。
「二つめ! ご趣味は?」
「えっ、何? お見合いなの?」
「いいから、正直に!」
お見合いっぽい質問だからかなのか、涼くんの言葉遣いもかしこまる。
「えっと、彼女と過ごすことです」
「はい、嘘! 正直に!」
「家で一日中ゴロゴロするのが趣味です」
「……真実って残酷だね」
いざ、提案したものの意外と三つも思いつかないな。
ってか、私は嘘か本当か分かるんだから、そもそもあんまりこの質問意味ないかも。
「んー、じゃあね、今何がしたいですか?」
「……」
涼くんはしばらく沈黙すると、私の肩を抱えた。
「じゃあ、キスで」
その瞬間、彼の温度が私の中に流れ込んできた。
よし、来年もこの手でいこう。




