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どうしようもなく好きな彼女の話
大好きだった。
けれど、伝えることはできなくて。
嫌われていると、わかっているのに伝えるなんて。そんな勇気持っていなかった。
ああ、でも。嫌われている知れてよかった。好きな人に、笑いものにされるのは辛すぎる。
これ以上笑われるようなことしたくない。
泣くことで、全てを洗い流せるのならば。この感情をどうにかしてほしい。
嫌われていると知っても、笑いものにされていると知っても、好きがどこにも行かないから。
いっそのこと、憎めればよかったのに。
愛おしいと、憎らしいという感情は共にあれるのだから。
それなのに、私の心は愛おしいばかり。
……苦しい。
吐き出す先を失った思い。
私はそれを抱えて生きていくには弱いというのに。
重い感情に押しつぶされるに違いない。
好きな人を好きでいることを止めれたならば。
(そうすればきっと、私は後悔するに違いないわ)