生きることが苦痛な彼の話
苦しいなあ、と。
誰もいないときに、やっと吐き出せる思い。
鬱々とした重苦しいものが、お腹の下に溜まっている。呼吸さえもままならない、そんな気分。
息をしているのだと、思い知らされる瞬間が来るたびに気持ち悪さが増えていく。
そして、ひどく泣きたい気分にさせられる。
誰か助けて、と。伝えることはせずに、求めていた。
苦しいと、誰かに吐露する勇気はないくせに、助けが欲しかった。
少しずつ、深い底に向かって落ちていくような気分。誰も引き上げてなんかくれない。
声に出していないのだから、誰も気付いてくれるわけがない。それでも、助けが欲しかった。
息が苦しいのだと。生きているのが苦しいのだと。誰かにわかってほしかった。
深いそこで、ただ泣いていた。助けを乞うのが怖かった。
いざ声に出して、知らないふりをされたらと考えると、声を上げることはできなかった。
それでも、泣きたい思いに歯止めはきかなかった。
(生きるためのこと全てが辛い。そのくせ死が恐ろしい。この気持ちを誰が理解してくれるというのか。思いを吐き出すことがこの上なく怖いというのに。ああ、吐き出すことの出来ない思いが山のようだ。)