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ピーチ  作者: eight-moon
7/7

7

もうすぐ深夜零時を迎える。

僕は冷蔵庫の前で体育座り。

静かに扉を開け、それを取り出す。

まるで赤ちゃんのお尻のように柔らかく、

いい色になった桃。

なんとなく今日が終わる瞬間に食べたかった。


僕は皮を剥く。

ナイフはいらない。

手でスルスルと剥けるから。

特有の爽やかな香りを放ち、

瑞々しい果肉が顔を出した。

最初は正体不明の奴だったが、

もうここまでくれば

『桃』

以外の何物でもない。

僕はゆっくりと口を近付け、

ガブリとかじった。


〈うまい!〉


口の中いっぱいに頬張った。


〈うまい!〉


休まず一気に食べてみた。


〈うまかった!〉


こうして後に残ったのは、

薄い皮と丸い種だけだった。


結局あれは何だったのか?


わからないまま終わりを迎えたが、


それでよかったんだと思う。


僕の人生は今までも、


そしてこれからも、


たぶんそんなことの繰り返しなんだろう。


明日は仕事だ。


僕はベッドに潜り込み、


満足感の中、


深い深い眠りに落ちていった…



翌朝、




―― 林檎がある! ――

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