救出
「ホリミカの記憶」いよいよ最終話です!
今回は初の連載でしたが、満足のいく形にできました。
では楽しんでください
1
男たちの声が聞こえる。もうこの休憩室をかぎつけたらしい。
「くそっ1匹に逃げられたか。やっぱり自由にさせすぎたんじゃないすか?」金髪の男の声だ。低い、相手の古傷をえぐるような声。
「うっせぇ さっさと捜すんだ!」大将がどなった。さっきの冷静さはどこへ行ったのか。まるで別人だ。「もう1匹がここにいるはずです。手分けして捜しましょう」リーゼントの男が言った。
まずい こんな狭い部屋の中ではすぐに見つかってしまう。ミカは心臓が早鐘のように脈打っているのを感じた。おまけに蒸し暑い。
ミカは休憩室の机の下の段ボールに身を潜めていた。子供1人が入れるぐらいの大きさのみかん箱の中だ。
案の定男たちは数分と立たないうちにミカを見つけた。
見つけたのは大将だった。
大将はミカをみつけるなり「服を脱げよ」と言った。ついに恐れていた瞬間が来た。
2
ミカはまた客室に連れて行かれた。
男たちはニヤニヤと笑っている。最初の笑いより陰険な感じがした。
ミカは考えをめぐらせた。これからわたしはどうなるのだろう。いつかニュースでやっていた。
児童ポルノ。わたしは変な写真を撮られるのか。どこかへ売られるのか。
殺されるのか。
ミカは恐怖で今にも発狂しそうだった。誰か助けてくれ。
シノ 助けて・・・
「さっさと脱げよ」金髪の男がナイフを突きつけてくる。
ミカは逃げようとするが、すぐに押さえつけられる。言葉だけでも抵抗しようとする。
「いやよ 変態!」ミカは声がかれそうになっていたが必死に声をだした。
これは男たちにも堪えたらしく金髪の男が声を張り上げた。「今 何か言ったかコラ!」
「ドブネズミのくせに守られる権利があるなんて思ってんじゃねえよ」大将は性格が激変したように言った。もう何をいわれても驚きはしない。
「もう我慢できねえ」金髪の男はミカめがけて思いきりナイフを突きつけた。血が温泉のように湧き出てくる。ミカの体に激痛が走った。盲腸になったときのようだ。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い
男たちはミカの服を無理やり脱がそうとした。服がびりびりと破られる。
隙間から下着が見える。
「キャー たすけてぇぇーー」その時警官が映画館のなかに入ってきた。
3
そのあとミカは警官に助け出され、ロリコン集団4人は警察署に連行された。
シノは映画館から抜け出して自分の家に戻り母に事情を話してくれたらしい。シノのおかげでミカは助かったのだ。そのミカはというと顔の傷や押し倒されたときに折れた骨を治すために2か月入院した。
だがシノは事件があった2週間後に転校してしまった。急に行ってしまったので電話番号も聞けず現在は連絡がとれていない。
これがわたしの体験の記憶、恐怖の記憶、救済の記憶。
この事件のことを思い出すと今でも背筋が凍りそうになる。
「あーあ、そろそろ肌寒くなってきたわね」ミカはカーディガンを羽織り、丸井の横に寝転んだ。
ミカは1日中歩きっぱなしでヘトヘトだった。「明日も5時にこの公園でなきゃいけないもんな」
ミカが眠りにつくのにそう時間はかからなかった。
いやー完結できてよかった。僕の2作目の小説。
僕のできるかぎりをつくしたこの話どうでした?
感想をお待ちしています。
読んでいただきありがとうございます。