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第2章

 彼が消えた。


 胸に生まれた喪失感は軽すぎるものではなかった。


 ネットの世界では、簡単に誰とでも出会える。と同時に簡単に別れはやってくる。そう、わかってはいるけれど、喪失感を感じるなという方が無理だ。いや、彼を失ったことは、他とは違う。

 今まで幾度もネット上で出会いと別れがあった。でも、彼との別れは何かが違った。


 そのショックを受けて数日後、彼らしき人からメールが届いた。

 ニックネームが違って彼かどうかわからなかったが、プロフィールを見たら、彼のような気がした。

 彼だと明確に判断できるものは無かったけれど、インスピレーションで彼だと感じた。だから、

 ―ところで、本当に『初めまして』なのでしょうか?―

 その言葉を付け加えてメッセージを送った。


 やっぱり彼だった。

 嬉しくて、でも、恨みがましくもなってこんなメッセージを送った。

 ―こんにちは、koaです。

 インターネットの中の繋がりで薄い関係かもしれませんが、出会いがあって何時かは別れが訪れるものとわかっているけれど、藍さんがいなくなる度に寂しい気分を味わっています。

 でも、今、藍さんがとてもつらい時期で心が不安定なのかなと心配もしています。

 藍さんが彼女のことで悩んでいるのを知って、がんばってと軽々しく言えるほど、あなたのことを知りませんが、お二人の恋愛がうまくいけばと心の中では応援していました。


 ただ、藍さんが幸せになることをお祈りしています。―


 このメッセージを送ったら彼から意外な返事がきた。

 彼の方から携帯電話とメールアドレスを教えてきてくれたのだ。

 驚いて、嬉しさがじわじわっとやってきた。

 けれど、現実で繋がることに戸惑いがあった。彼を信用しても大丈夫かどうかわからなかったのだ。

 結局、ネット上での彼の言葉からは信頼するに値すると判断して、彼に連絡先を教えた。


 ただ、この時の判断が正しかったか、今でもよくわからない。

小説を投稿したことをすっきり忘れていて、慌てて投稿しました。

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