『死人探偵と未返却の遺体たち』──それでも、誰かの“死”だった。
前作『死んだはずの名探偵、異世界でまた人を死なせる』をお読みいただいた皆さま、
そして、感想・レビュー・評価をくださった方々、本当にありがとうございました。
◇前作はこちら → https://ncode.syosetu.com/n6445kr/
予想を超える反響に背中を押され、
“死人探偵”羽鳥翔一が再び登場する続編的短編を書きました。
本作はシリーズ初見でも読める独立型となっていますが、
前作を読んでいただいた方には、より深く楽しんでいただけるかもしれません。
では、今作の事件──
「誰のものとも言えない遺体」と、
それを“返してほしい”と願う者たちの話、始めます。
【第1章】身寄りなき男、五人の遺族
2031年6月12日(木)
死人管理局・中央倉庫 第三区管理フロア
今朝もまた、死者がひとり返ってこなかった。
「これで、今月五体目ですね」
「返却拒否、三件。申請ミス、一件。今回のは……重複主張、ですね」
死者管理局・中央倉庫。
そこでは、身元が確認された死者の遺体が仮置きされ、適切な手続きを経て家族へ“返却”される。
本来ならば、葬儀や納骨へと移るための最後の段階である。
だが今、この“死の出口”で、事件が起きていた。
「まさか五人も来るとはな……」
主任係官のマルヴェは、腕組みしながら仮面越しに深いため息をついた。
「身寄りがないって、記録にはっきりあるんですよ?」
隣で書類をめくる副官のルビーナが、呆れたように言う。
遺体番号:SG-1219-B
氏名:該当者なし(仮名割り当て:ヨハネ=L)
死因:外傷性ショック死(不審点あり)
家族登録:該当なし
返却申請者:五名(同時申請)
「この“ヨハネL”……名前からして怪しいわよ」
「仮名割り当てですからな。該当記録がない者には“近似波長名”が割り当てられる」
「でもそれで、五人が“私の家族です”って主張? 笑えないわね」
異世界に存在する死者管理制度において、“誰かの遺体”とは、同時に“誰かの権利”でもあった。
葬儀、遺留品、供養認定、そして時に、補償金の受け取り──
だからこそ、管理局はその“返却”に慎重を極めるのだ。
――そして、
その“五人”がすべて別人であり、
しかもそれぞれが**“確かな証拠”**を持っていたとしたら?
「羽鳥翔一、呼びました」
ルビーナが端末を操作しながら言った。
「死者籍調査官──というより、例の“死人探偵”」
「……おいおい、あいつを呼ぶのか」
「“死人のほうが喋ってくれるから助かる”って言ってたじゃない。なら、ちょうどいいでしょう?」
主任マルヴェは再びため息をついた。
「面倒くさい奴が来るぞ……」
***
羽鳥翔一が中央倉庫の面談室に現れたのは、午後一番だった。
黒のスーツに、死者籍調査官の証明書を胸に提げ、髪は寝ぐせのまま。
その姿は相変わらず「死人と話すにはちょうどいい」くらいに陰気だった。
「今回の遺体、身元不明の男に対して、五人の“家族”が名乗り出てるそうですね」
「ええ。誰かが嘘をついてる、あるいは、全員が嘘をついている。でなければ……」
羽鳥は応接椅子に腰を下ろし、書類を一瞥して言った。
「この男が、“五つの人生”を持ってたってことになりますね」
死体は沈黙する。だが沈黙しているとは限らない。
「まず、遺体の状態からいきましょうか」
羽鳥翔一は、仮設の面談資料を取り出した。
遺体番号SG-1219-B──ヨハネLとされた男は、死後三日経ってなお腐敗が進んでいない。血液が抜かれ、死後硬直も解除済み。肌には不審な注射痕が三箇所あり、胸部には旧式の認証チップが残されていた。
「妙ですね。現行制度なら、生体IDは解消されてるはず。なぜ旧式を?」
「古い民間医療記録と一致したわ。地下都市での不法診療。チップはその名残ね」
ルビーナが端末を叩きながら答える。
羽鳥は頷くと、さらにページをめくった。
「さて。問題の“五人”ですが」
死体の返却申請者は、以下のとおりだった。
――
申請者①:エリナ=バルクス(52)/故人の「妻」を主張
申請者②:ギデオン=ローレンス(41)/故人の「弟」
申請者③:サミュエル=グレイン(68)/故人の「父親」
申請者④:リーリエ=マークハート(23)/故人の「婚約者」
申請者⑤:ティオ=ベルガ(13)/故人の「保護者」
――
「年齢も主張もバラバラ、繋がりが見えないわ」
「むしろ見せないようにしてるんでしょう」
羽鳥は皮肉な笑みを浮かべた。
「興味深いのは、“全員が正式な遺体返還申請書と、それに必要な家族証明書類を提出している”という点です」
「どれかが偽造?」
「……いいえ、五つとも“正規の認証印”がある」
その場にいた全員が、しばし沈黙した。
認証印とは、死者籍管理局の中枢が発行する“本物”の証明。
それが同一遺体に対して五通、しかも別の家族関係で出ているとなれば──
「……局内のミス? あるいは、改ざん?」
「いや、それよりも――」羽鳥は資料から目を離し、天井を仰いだ。
「この遺体、“五人の証明を通してくれるほどの存在”だったってことですよ」
言葉の意味を誰も理解できなかった。
羽鳥自身、まだそれが“何”を指しているのかはわからなかった。
だが一つ、確信していることがある。
この男、ヨハネ=Lは。
少なくとも“ただの死体”ではない。
***
「……どうする、羽鳥調査官?」
マルヴェ主任が渋面で訊ねる。
「面談は全員今日中に設定できるが、優先順位は?」
羽鳥は立ち上がり、書類を鞄に戻しながら答えた。
「子どもからいきましょうか。ティオ=ベルガ、十三歳。故人の“保護者”を名乗った少年」
「保護者……って、逆じゃないの?」
「その矛盾こそ、探偵の入口です」
死人探偵は、死者の声なき声を聴く。
嘘をつくのはいつも、生きている人間のほうだ。
【第2章】遺体管理局と、その倉庫
死人が生きている世界には、それを管理する部署がある。
その名も、「死人管理局」。
国ではない。警察でもない。
だが誰よりも“死”を扱い、“死者”を登録し、“死体”を保管する。
羽鳥翔一が目指したのは、中央倉庫内に設けられた遺族面談室──
だがその前に、彼は少しだけ、倉庫の裏手に立ち寄った。
そこには、ひとつの“壁”があった。
正確には、壁一面に設けられた無数の遺体スロットである。
ステンレスと強化硝子で密閉されたユニットが、縦に、横に、幾重にも積み上げられている。
その数、ざっと一千。
中央倉庫・第三保管区。
ここは、“身元不明”または“返却保留中”の死体が一時的に収められる“灰色地帯”だった。
羽鳥はその一角、SG-1219-Bのスロット前に立つと、内部を一瞥した。
保存状態は良好。だが不自然な点もある。
──胸に縫合痕。
──左右の腕に点滴痕。
──足首には“搬送タグ”のほかに、なぜか“装飾用の布紐”が結ばれていた。
「……誰かが、“祈った”跡だな」
羽鳥はそう呟いた。
「見つけました。羽鳥調査官」
背後から声をかけたのは、管理官補のシリルだった。細身の青年で、羽鳥とは旧知の仲だ。
「今回の件、局内でも話題になってますよ」
「身元不明の死体を、五人が“本気”で取り合ってるって話か」
「いえ、それだけじゃないんです」
シリルは声をひそめた。
「五人のうち、三人は“過去に同様の申請歴”があると判明しました」
「……!」
羽鳥はその場で立ち止まった。
「つまり、“死者に家族を名乗って遺体を受け取る”という行為を、繰り返していると?」
「ええ。しかも、それぞれ違う遺体、違う主張で」
「目的は?」
「調査中です。ですが──」
そこでシリルは言葉を濁し、やがて静かに続けた。
「“死体を所有する”ことには、想像以上に多くの特権が伴うんです。
葬儀費補助、弔慰金、供養認定、自治区の“死者加算”──それに、“故人の遺留品相続権”まで」
「つまり、“死者の皮を被った詐欺”か」
「皮を被るどころか、“死体そのもの”を得ることで得られる利益です」
羽鳥は、スロット越しに見える“ヨハネL”の顔を、もう一度見つめた。
「だが、こいつは違う。
……この死体だけは、“どこかがズレてる”」
「何が、ですか?」
「“死者らしくなさすぎる”んだよ。死体のくせに、五人の人生を引き寄せてる」
羽鳥翔一にとって、“異様”はいつも、真実の入り口だった。
***
面談室。
ガラス一枚隔てた向こうに、少年が座っていた。
ティオ=ベルガ。十三歳。
背は小さく、服は粗末で、靴は片方だけ布を巻いていた。
だが、その表情はどこか達観していた。まるで「自分が主役じゃない」と理解しているような。
「君が、ヨハネ=Lの保護者を名乗ってるんだね」
羽鳥が端的に切り出す。
「うん」
少年は頷いた。無駄に怯えもせず、かといって虚勢も張らず。
事実をただ、口にするように。
「その男と、どういう関係だった?」
「昔、おれが住んでた通りの、隣の部屋にいた。
親はいなかったし、あの人もひとりだった。……何回か、パンをくれたよ」
「それだけで“保護者”に?」
ティオは羽鳥を見つめ返す。
その目には、説明よりも“肯定”が浮かんでいた。
「家族って、血で決まるの?」
「それは……」
「じゃあ、たぶん、あの人は“おれの家族”だった」
少年の口調に、嘘はなかった。
だが、それだけでは決して足りない。
羽鳥翔一が本当に知りたいのは、“なぜこの死体だけが、五人に“所有”されようとしているのか”──
その異常な磁力だった。
【第3章】女たちは、皆「妻」だった
“死者の取り合い”という言葉は、滑稽にも聞こえる。
だが、滑稽なのは制度ではなく、むしろ人間のほうだった。
「次は、エリナ=バルクス(五十二)。“妻”と名乗った女性です」
ルビーナが資料を読み上げた。
「三年前に婚姻申請履歴あり。ただし、その相手は“ヨハネL”ではなく、別人」
「……じゃあ、なぜ今回“妻”と?」
「“再婚済みで書類未提出だった”と主張してるわ。だが裏が取れない」
ルビーナは肩をすくめる。
「ちなみに、リーリエ=マークハート(婚約者を名乗る女性)も、別の調査官が面談中」
「ふむ。なら──並べて話を聞きましょう」
***
羽鳥は面談室に二人の女性を呼び出した。
ひとりは落ち着いた物腰の中年女、もうひとりは眼鏡をかけた二十代前半の細身の女性。
二人の顔は、はっきりと“敵意”を含んでいた。
「お互いが“ヨハネ=Lの妻”だと主張しているわけですが──」
「違うわ、あの子は“婚約者”よ。あんな年増と一緒にしないで」
「何ですって!? あなたみたいな小娘に、ヨハネが目を向けるわけないでしょう!」
「“目を向けた”のは、彼じゃない。私よ」
「……あのねぇ」
羽鳥はメモを取りながら、会話を止めない。
「ではお聞きします。“ヨハネ=L”という男が、あなたにとってどういう存在だったのか」
「私にとって、最も“心の拠り所”だった」
「私にとって、“ここにいてもいいと思えた”理由だった」
言葉は違えど、意味は似ていた。
だが証言を照らし合わせると、ふたりとも“同じ時期”に彼と関係を持っていたとは思えない。
「おふたりの関係、重複していた可能性も?」
「いいえ。彼が亡くなったと知って、私は初めて知ったんです。もうひとりの“妻”がいたと」
「……同じです」
羽鳥は、眉間に皺を寄せた。
どちらも“嘘をついていない”。
つまり──
「ヨハネ=L、という名前が示していたのは、“ある男”の個人ではなく──
ある“仮面”だった可能性がある」
羽鳥は声に出すことで、自分の中の違和感を確かめる。
ふたりの女性は、それを肯定も否定もせず、ただ黙って聞いていた。
──もしかして、彼女たちは気づいていたのかもしれない。
自分たちが“同じ人間”ではなく、“同じ役割”を愛していたことに。
「死人ってのは便利だな」
羽鳥は机の書類を閉じた。
「死んでしまえば、誰にとっても“都合のいい記憶”になる」
女たちは、何も言わなかった。
ただ、静かに立ち上がり、部屋を出ていった。
死人にとって、過去は美しい。
だが、生き残った者にとっては、醜くもある。
【第4章】かつて“父親”だった男
羽鳥翔一が次に面談したのは、アレフ=ノルトン(六十五)──自称・“父親”である。
灰色の上着に、古びた靴。
だが、背筋はまっすぐに伸び、目に力があった。
「私が、あの子を拾ったのは……そうだな、もう四十年近く前になる」
「拾った?」
「駅の構内でな。ボロ布をまとって倒れていた。
名前も、年齢も、国籍すらわからなかった。だが、あの目だけは──覚えている」
「その“拾った子”と、“ヨハネ=L”が同一人物であると、どうして判断されたんですか?」
「指の傷だよ」
アレフは、迷いなく言った。
「左の中指。第二関節の内側に、小さな切り傷があるはずだ」
「……確かに」
羽鳥は既に遺体確認の段階でその傷を見ていた。
「昔、硝子片を踏んで、それを庇ったときにできた傷だ。私が手当てした」
「それが、本人を証明するものだと?」
「ほかに証拠など要らんさ。私には、それが“あの子”だったとわかる」
証言は、感情的だが筋は通っていた。
だが、羽鳥は質問を変えた。
「その子が、家を出て行った理由は?」
「……」
アレフは目を伏せた。
「私が、“父親”であろうとしすぎたんだと思う。
あの子には、自分で世界を選ぶ自由が欲しかったんだろう」
「その後、会っていない?」
「手紙が、年に一通。差出人の名はいつも違っていた。だが、内容は同じだった」
そう言って、アレフは懐から一枚の紙を取り出した。
『お元気ですか。父さん。
今、わたしはまだ途中です。でも、どこかで、“よかった”と思えるようにします。
また来年』
羽鳥は、それを受け取らずに、ただ目で追った。
確かに、こうした絆は“父子”としか言いようがない。
「なぜ、今になって“所有”を申請されたのですか?」
「誰かが、あの子のことを“欲しがってる”と聞いて、黙っていられなくなった。
“死んでも、わたしの子どもだ”──そう言ってやりたかっただけだ」
面談は、十数分で終わった。
だが、羽鳥の心に残ったのは、あの“年に一通”という手紙の話だった。
(名前を変えて、でも、書き続けた)
きっと彼──“ヨハネL”は、自分という存在をひとつに定めることを恐れていたのだ。
過去も、現在も、そして“死”すらも。
【第5章】そして、誰も知らなかった
「……最後の面談、ティオ=ベルガ。十三歳。申請書類では“保護者”と記載されている」
羽鳥は、資料を閉じた。
ここまでの証言で、「ヨハネ=L」という男が多重の存在、あるいは“仮面の集合”だった可能性は高まっている。
だがこの少年の申請だけは、まるで正反対の意味を持っていた。
面談室に入ってきた少年は、髪を短く刈り込んだ快活そうな少年だった。
しかしその表情には、緊張と警戒が色濃く滲んでいた。
「座っていいよ」
「……はい」
羽鳥は、まず名乗ることから始めた。
するとティオは、意外にも素直に口を開いた。
「ぼく、ヨハネって人に育ててもらったんです。五年前──路地裏で凍えてたときに、声をかけられて」
「“拾われた”?」
「……そうですね、たぶん。でもあの人は“父親”だとか、“先生”だとか、そういう言葉を嫌がってました」
「なんて呼んでたの?」
「“オジさん”です」
羽鳥は笑いかけた。
「保護記録も何もなかった。どうやって生活してたの?」
「その人、“死者籍”だったんです。合法じゃない。でも──ぼくにとっては、“ちゃんと生きてた人”でした」
羽鳥は、その言葉に目を伏せた。
死者籍とは、既に死亡が公的に記録され、戸籍や財産から外された者。
存在は法的に“無い”ものとして扱われる。
「でも、オジさん、言ってました」
『人は、誰かの“記憶”の中でだけ、生きられる』
「だから、“死んだこと”より、“忘れられること”のほうが怖いって」
その言葉に、羽鳥はなぜか胸が詰まった。
「……ティオ君。君にとって、ヨハネ=Lとは何だった?」
「“ぼくが、生きていていいって思えた理由”です」
迷いのない言葉だった。
***
面談が終わり、羽鳥はふたたび遺体保管室に戻った。
静かに横たわる“それ”を見つめながら、口を開く。
「君は、五人に“本当のこと”を見せなかった。だが、五人とも君を“本気で信じてた”」
「……いや、六人か」
羽鳥は静かに呟く。
ティオ少年が語った言葉。
それは、ただの思い出ではなかった。
この世界の“死”がいかに形式的でも、人と人の間にある絆だけは、どうしても消えない。
死体は、もう語らない。
それでも、誰かの“死”だった。
【第6章】死人の名は返却されない
遺体管理局の判定会議は、非公開で行われた。
申請者は五名──どの主張にも一定の妥当性があり、明確な優先順位はつけがたかった。
だが、羽鳥は提出した報告書にこう記していた。
――この遺体に、名を与えてはならない。
誰かの息子でも、恋人でも、弟子でも、父親でもない。
彼は、誰にも返却されない死人である。
「ふざけているのか?」
管理官のひとりが声を荒げた。だが羽鳥は、怯まない。
「死人とは、“生きた痕跡の総体”です。誰かに“回収”されることで、それが一部の記憶だけに収まってしまうのは──」
「それは君の感傷だろう」
「……そうかもしれません。でも、“名前”というのは、いつだって誰かの都合で貼られるものです」
羽鳥は静かに言った。
「今回の事例に限っては、“無名”のまま残すことが、彼にとって最も正確な証明となると判断します」
数秒の沈黙ののち、会議室は賛成多数で静かに承認した。
“ヨハネ=L”という仮名は、公式記録からも削除された。
***
それから一週間後。
羽鳥はティオ少年を、遺体安置所の裏庭に呼び出した。
そこには、小さな木の苗が植えられていた。
「……これが?」
「あの人のために残された、“場所”だ」
「でも、名前がない」
「あの人が望んだのは、“記録”じゃなくて、“記憶”だったからな」
ティオは、苗の前にしゃがみこんだ。
小さな手で、土を少しだけ撫でる。
「“また来年”って、言いに来てもいいですか?」
「ああ、好きなだけ」
風が吹いて、葉が揺れる。
彼の名は記録されなかった。
だが、ここに彼がいたということは、誰かの中に“残り続ける”。
それが、死人探偵にとっての──解決だった。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
前作『死んだはずの名探偵、異世界でまた人を死なせる』の世界観を引き継ぎつつ、
今回はより“静かな死”と“名前”をテーマにした短編となりました。
死人探偵・羽鳥翔一の調査記録は、少しずつ“死”の形を更新していくものになる予定です。
本作が、どこかの記憶に小さく残ってくれたなら、作者としてそれ以上のことはありません。
また次の事件で、お会いしましょう。




