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東京メトロ浅草駅ダンジョン 15

元気の良い返事をしたのに全く降りる気のない百合にツッコミを入れつつ俺は扉をくぐった。



祠の扉をくぐった先はそこそこ広い空間になっていて、自然な感じはしなく誰かが掘ったかの様に奇麗に石壁に囲まれている。

土の床の所々に芝生の様な緑の草が生えその中央には温泉の様に丸い石に囲まれた池があった。


その池の水は薄白く発光し外の物とはまた違う魔力だと思うと共に膨大な量の魔力を保有している事が感じられた。

基本的にダンジョン内の魔力の多い場所は強力なモンスターが湧く為、発見次第破壊を推奨しているのだが、不思議とその魔力からは神聖なものを感じ直感的に害を成すものではないと何故だか分かる。


「何なんだこれは…。」

『いやはや実に興味深いのだよ。七色の光を放つ扉に発光する正体不明の水源…。ダンジョンとは正に未知の宝庫なのだよ!さあ相棒早速調査を開始するのだよ!』

「あぁ…。そうだな。」


困惑する俺をよそに百合が腕の中で暴れ始める。

俺は彼女を降ろすと周りを見渡し他に道が無いか確認するが、他に道は無く俺達が入って来た扉だけが背後にあるだけだった。


「何があるか分からない。勝手に見えない所に行くんじゃないぞ。」

『相棒はボクを子供か何かと思っているのかね?』

「…。」

『おい、怒るぞ。』


池に近付きながらそんな会話をしていると、前方に急にモンスター等が発生する時に似た魔力の揺らぎが発生した。

俺は百合を引き寄せ背後に庇う様に前に出て警戒を強めた。


攻撃しようと右手に魔力を込めた時、揺らぎが消えて人影が現れる。

白い髪に尖った耳、場違いな上品な白いドレスに身を包み誰もが振り替える様な美貌と金色の瞳がこちらを見ている。


「お久しぶりです貴方様。この日が来る事を首を長くしてお待ちしておりました。」


落ち着きのある声でそう言うと彼女は恭しく一礼すると、喜色の表情でこちらに微笑みかけた。

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