表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/191

東京メトロ浅草駅ダンジョン 14

一安心し前を見るとそこには扉が開き、虹色に光る入り口が現れていた。



俺は驚き言葉を発せずにいた。

呆然と立ち尽くしていると横抱きに抱えていた百合がもぞもぞと身じろぎをし始めた。


「百合どうした大丈夫か?」

『…?』


百合は状況が飲み込めていないのか周りを見渡し数回瞬きを繰り返している。

どうやら何が起きているのか分からず混乱している様だ。


『…やあ相棒おはようなのだよ。これは一体全体どういう状況なのかね?横になったあと少しウトウトするなと思ったらいきなりこんな状態なのだがね?』

「…覚えてないのか?」

『質問に質問で返さないで欲しいのだよ。覚えてるも何もボクは寝てたのだろう?それに何なのだよこの光を放つ扉は。何がどうなってこうなっているんだい?』


何とも不思議そうな顔でそう言う彼女は先程までの事を全く覚えていない様で、先程から視線を至る所に向けて落ち着かない様子の彼女に先程までの事を説明する。

説明し終えたがこの先に進むのか、それとも留まりこの場の調査を優先するのか決めなくてはならないだろう。


好奇心の強い百合の事だ、言うまでも無くどちらにするかなど決まっているがこれも様式美みたいなものである。

説明中に落ち着いたのか俺はさっきまでとは違い輝いている見える瞳で扉を一心に見つめる百合に問いかける。


「説明は以上だ。質問はあると思うがそれより先に決めないといけない事がある。その様子だと聞くまでも無いと思うがどうする?」

『説明感謝するのだよ。まさかそんな摩訶不思議な事が起きていたなんて思ってもみないのだよ。それは進むかここに留まるかと言う質問かい?相棒ボクがこの興味深い現象に対してここに留まるという選択をすると思うかい?』


好奇心を刺激されたからか、テンション高めの百合は子共の様な楽し気な笑みを浮かべるとそう返してきた。


「質問に質問で返してるじゃないか。いや、愚問だったな。すまない聞いた俺の落ち度だ。…それじゃあ行くとしますか。」

『うむ!では行くとするのだよ。』

「いや降りる気は無いんかい。」


元気の良い返事をしたのに全く降りる気のない百合にツッコミを入れつつ俺は扉をくぐった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ