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東京メトロ浅草駅ダンジョン 5

ドヤ顔する彼女の様子に呆れながらも俺は探索を開始した。



魔力感知が出来る俺にとって湖と思われる場所の特定にはそんなに時間は掛からなかった。

そこは林から出て来た所から左の方へ少し行った所にあった離れた位置から見たらただの崖の一部だったが、1m程にまで近づくと目の前にぽっかりと穴が開き中に入れる洞窟が姿を現したのだ。


その不思議な現象を目の当たりにした百合は自身の好奇心を刺激されたからか、興奮した様子で何やら早口で難しい事を捲し立て続けている。

俺も近づき認識した途端に存在感の増したこの場所に驚きを隠せない程なんだ、研究者である彼女の驚愕は相当だろう。


何故この場所に第四部隊が気付けられなかったのか。

予想でしかないが、恐らく魔力感知能力が高い事が第一条件なのだろう。


百合も最初は目の前に洞窟があるのに全く気が付かなかったが、魔力を見る為に自作したと言う眼鏡型の道具を取り出し掛けると見える様になったらしく、それ以降は外しても見える様だ。

最初から着けておけと思ったが、燃費が悪くそんなに持続して使えないのと、言われないと分からない程の違いしか無く、俺が指差して指摘するまで全く見えていなかったらしい。


『いやはやダンジョンとは甚だ不思議な場所なのだよ。魔力の有無かそれとも他の要因か、今までの常識がどんどん書き換えられていくのを感じるのだよ。』

「全くだ。初めてダンジョンが出来て10年以上経つのにまだまだ新たな発見が出てくる。研究者的には暇しなくていいんじゃないか?」

『その通りなのだよ。だがボクの体と脳は1つしか無いからね。今の研究も終わらない内にまた面白そうな発見があって困ったモノなのだよ。』


やれやれといった風に百合が首を振る。


「そうだな。俺も新発見がある度に対応を求められて寝る時間が無くなりそうだよ。」

『そんな時の為のいいモノがあるのだよ試してみるかい?』

「多分碌なモノでは無さそうだから遠慮しとくな」


百合がいたずらっ子の様な顔で言っているので十中八九間違いないだろう。

この顔をしてる時は大体碌な事じゃない。


「さて、そろそろ中がどうなっているか確認しに行くぞ。」

『そうするのだよ。何だかワクワクするのだよ。』


そんな呑気な事を言う百合を連れ、俺は崖の洞窟に足を踏み入れた。

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