緊急臨時隊長会議 3
そうしていると間もなくして扉が勢いよく開け放たれた。
先程とは打って変わって荒々しい入室をしてきたのは潜行し素材を集めながらも、何かあった際は他の部隊をサポートする遊撃的なポジションで動いてもらっている第三部隊の隊長 蜜園 桃花。
女優顔負けのルックスに明るい桃色の髪のショートカット、スラリとしなやかなスタイルは彼女が釣り目気味なのも相まって猫の様な印象を与える。
そんな彼女がすごい剣幕で近づいてきて俺の目の前に立つ。
今回の件で怒らせる事に関して身に覚えがあるが許して欲しいと心の中で願っていると彼女はそのふっくらとした唇を開いた。
「アンタ今回は何やらかした訳?」
「身に覚えがあり過ぎて申し訳ないが今回は俺ではない。詳細は揃ったら説明するから席について資料を読んでおいてくれないか。」
「ははーん。だとしたらやらかしたのは百合ね。大体の事は自分で解決してしまうアンタが緊急で会議を開くなんてらしくないと思ったのよ。あんまり甘やかすんじゃないわよ。」
「いやそれも違くてだな。」
それだけ言うと彼女は俺の返答も聞かず月隠に軽く挨拶をすると自分の席に着き、資料を手に取りめくり始めた。
めくって最初にある内容、浅草で発見された装飾系アイテムの能力変更効果のある湖について という見出しを見たからか、驚愕に目を見開き無言で読み進めてはその端正な顔立ちの表情を次々に変えている。
俺に対する当たりは強いだけで、何時もは周りを気遣えるいい子なんだ。
今の様に心情次第で表情がコロコロ変わる所も可愛らしい事だ。
そんな風に考えながら眺めていたら怖い顔で睨まれてしまった…。
俺も表情に出ていたのだろうか、最近は見てるでけで警察を呼ばれたりするので本当に気を付ける事にしよう。
そう決意した時、蜜園の開け放ったままだった扉が静かにノックされ次の隊長が入室してきた。




