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稀代の天才 黒川 百合 14

その衝撃に俺はカップを持った手に無意識に力が入るのを感じた。



前々からその発見は懸念していたアイテムの効果を変える方法。

この発見が公になり自由に使える様になってしまった場合のリスクは計り知れない。


基本的にダンジョンで発見されたアイテムは汎用的な素材等を除き一度対策本部に預け、効果と発見者の確認をしてその後問題が無い事が確認され希望があれば発見者に返還し所有者登録等をしてもらい、ダンジョン潜行許可証の内容を更新する形を取っている。

結晶装備に関してはアイテムの手続きに加え、参加必須の講義に緊急時以外の公共の場での使用禁止の誓約書等も書いてもらう必要がある。


違反した場合は内容にも因るが、一時的に対策本部の執行部に身柄を確保されアイテムや結晶装備の没収並びに違約金の支払い命令、悪質だと判断された場合は許可証と所有者登録の取り消しと逮捕もあり得る。

今回発見された湖はこれ程厳しく管理されている物の抜け穴になる可能性が非常に高い。


秘匿し続けるのは難しいだろうが、公になる前に新しい制度の完成を目指さなくてはならない。

目下の目標はその湖が公になる前に此方で完全に抑え、出来れば百合と俺の指揮下でこの湖の効果を究明し新制度の下地を作る事だろうか。


「百合。この話は外部に話してないか?」

『勿論なのだよ。何なら今さっき思い出した位なのだよ。』

「有り難いが、それはそれでどうなんだ?」

『しょうがないだろう?その時は別の研究の虜になっていたのだよ。まあ、そっちは徒労に終わったがね。』


やれやれという風に百合は首を振りながら残念そうに答える。


「取り敢えずこの件は他言無用で頼む。下手したら泣きを見る者が出てくる。」

『相棒に頼られたらしょうがないのだよ。この話は許可が出ない限り墓まで持って行くとするのだよ。』

「それは心強いな。」

『だがあれだね。何と言うか金の匂いがするのだよ…。』

「…。そう言う面ではもっと漏らす訳にはいかないな。」


ビジネスに疎い俺達ですら察してしまう事の出来る明らかな新たな金脈の出現。

そっち方面に明るい者なら湯水の如く稼ぐアイディアが湧いて来る事は容易に想像が出来た。

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