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稀代の天才 黒川 百合 13

俺は最近多く感じる気がする感覚に頭を抱えるしかなかった。



スマートフォンを持つのが億劫になったのか、百合は通話をスピーカーモードに変えコーヒーを啜りながら続ける。


『相棒、気持ちは分かるが彼等を責めないであげてほしいのだよ。発見者は偶々潜っていた沼須喜 美白(ぬますのき みしろ)氏で、彼女の()()()()()()をもってして発見に至ったらしいのだよ。逆に言うと彼女の力が無ければ発見出来たのは相棒位だったという事なのだよ。うーむこれは仕方ない事なのだよ。』


俺の様子に察したのか半笑いになりながらも百合は事の経緯を話してくれた。

しかしまだ疑問は残っている。


「事の経緯は分かった。だが俺がこの話を聞いたのは初なんだが?一体何時聞いたんだ?発見が今から1年近く前。最低限の安全確保と調査、整備がされて民間に開放されたのは確かここ1ヶ月の話だったと思うが…。そもそも何処からの情報なんだ?」

『それで間違いないのだよ。誰から聞いたかだって?それは勿論沼須喜 美白氏本人なのだよ。何でもボクの相棒である君に直接一番に伝えたいがそれは畏れ多いんだそうなのだよ。なのでボクに伝えたとのことなのだよ。他にはまだ言っていないらしいし、政府にはおろか同じチームにも伝えてないんだと。前々から思っていたが彼女は些か狂信者じみてないかい?何だか信頼を超えて執着と言うか何だかドロドロとしたモノを感じるのだよ。』

「…。言いたい事は色々あるが取り敢えず外部に漏れてないのが救いか。後者に関しては実害が出てないから保留で頼む。」


頭の痛い話だが今は取り敢えず脇に置いておこう。

コーヒーを一口啜り身振りで彼女にその先の情報を求める。


『その新しく発見されたエリアで見つかったモノが面白そうでね。そこには湖が広がっていて、彼女曰くキレイな魔力に満ちていたらしいのだよ。湖の水をサンプルとして持ち帰り、手持ちのアイテムを浸して試したところ数日である変化が起こった様なのだよ。』

「その変化とは?」


俺の質問に百合は残ったコーヒーを一息に飲み干すと神妙な表情で答えた。


『アイテムに内包された魔力属性や効果が変わる事が確認されたのだよ。』

「考えた事はあったがそれは本当か?だとしたらとんでもない事だぞ。」

『ああ、だから秘密にしたのだよ。人の口に戸は立てられないのだよ。』


彼女の口から発されたそれは何度か考えた事はあったが机上の空論と切り捨てて来た事であった。

その衝撃に俺はカップを持った手に無意識に力が入るのを感じた。

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