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稀代の天才 黒川 百合 12

良い事なのか悪い事なのか、相変わらずの様子の彼女に俺は苦笑を漏らした。



それから少し時間が経ち俺が研究室にあったコーヒーを淹れて飲み終わる頃、百合の呼吸も落ち着いてきた。

彼女は立ち上がり顔を上げ、腕を組み難しい顔をしている。


どうやら考えを巡らせている模様。

俺はマグカップをもう一つ用意してコーヒーを注ぎ、角砂糖を5つ入れ彼女のデスクに持って行き椅子を指差して話しかける。


「聞こえてないと思うが飲むだろう?少し休憩にしよう。」

『…。』


こちらの声は聞こえていないはずなので俺の動きに反応したのか、彼女は椅子に座るとコーヒーを一口啜り一息吐くと脱力したのか、椅子に身を任せてリラックスしている様だ。

少しするとしまったスマートフォンを取り出し電話を掛け始めた。


『コーヒーありがとう。多少落ち着いたおかげで色々と思うことが出来たのだよ。色々と検証に付き合ってくれた事にも感謝なのだよ。解呪の事で少し思い出した事があるんだがいいかい?』

「ああ、ダンジョン資源活用第一人者の意見だ。是非聞かせてくれ。」

『その肩書はあまり好きではないのだがね。相棒の肩書もここで並べてみるかい?』

「俺が悪かった勘弁してくれ。」

『ふふふ、そうだろう?』


いたずらっ子の様な笑顔を見せた後カップに一口口を付け、俺が彼女の言葉を待っていると察したであろう百合は切り出した。


『実は少し前に聞いたんだがね。浅草の方に在るダンジョンは知っていいるかね?』

「それは割と最近に現れたダンジョンか?それなら知ってはいるな。第四部隊からの報告書上でしかないから直接潜ってはいないがな。そこに何かあるのか?」

『うむ、相棒が思った場所で間違いないのだよ。どうやら第四部隊の探索が終わった後で何やら新発見があったようでね。』

「何てこった。これまた頭の痛くなる話が出て来たな。」


今回のトラブルはどうやら単純には解決させてくれないらしい。

俺は最近多く感じる気がする感覚に頭を抱えるしかなかった。

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