表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/199

稀代の天才 黒川 百合 8

尚も続く彼女の話を聞きながら取り敢えず無事だった事に胸をなでおろした。



ここに来て30分程経った。

やっと彼女の話がひと段落し落ち着きを取り戻した。


『いやはや本当にすまない。つい熱が入りすぎたのだよ。』

「相変わらずマイペースだな、今の状況を分かっているのか?まあ百合が平気ならとりあえずいいか。しかし何故効果の分からないアイテムを使ったんだ?何時もなら少なくとも効果が分かる前に試す事は無かったし、分からなくてどうしても試したかったら俺に言えと言ってただろ?」

『むぅ、それはだね、あまり詮索して欲しくないと言うか…。こっぱずかしい理由と言うか…。』


珍しく歯切れの悪い彼女の様子に疑問を浮かべつつも再発されては困るので追及する事にする。

今更お互い何を遠慮する事があるというのか。


「今後の為にも教えてくれ、何時もなら論理的に行動する君がそうした理由があるはずだ。」

『うぅ。そ、それは何と言うか…。ボクも女と言うか…。憧れと言うか…。』


しまったと思った。

百合のこの反応は羞恥を感じているらしい。


親しき中にも礼儀あり。

しかも彼女は女性であり、今の俺の追及は下手したらセクハラやロジハラと取られかねない。


「いやすまない、無理矢理聞くような事をして。無理に話さなくていいぞ、俺が都度フォローすればいいだけの事だ。不快にさせて申し訳ない。今聞いたことは忘れてくれ。」

『…いや!違うんだ!言いたく無いとかではなくただ単純に恥ずかしかっただけなのだよ!指輪なんてただの飾りだと思っていたのがいざ目の前に君の持って来た物が現れたら嵌めてみたくなってしまった乙女心というかだね!』

「お、おう。」


とんでもない早口で捲し立てられまたも気圧されてしまった。

そこでふと違和感を感じ視線を下に向ける。


そこには目の下に隈を付け黒髪を一つ纏めにした半透明の美女が俺の顔を下から見上げていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ