元教え子 東 紅 42
第二部隊と合流も完了し、今回の救助活動はこのまま無事に終わりそうだ。
第二部隊と合流後手早く片付けを終わらせ、迅速に移動を開始する。
帰路は人数がいることもあり、何の問題もなく順調に進み無事にダンジョンの入り口に到着した。
ダンジョンの変形も無くて一安心だ。
周りの隊員達からも安堵の息が漏れる。
俺はこの後の報告書や事後処理等の事を考えるとまだまだ安堵は出来そうにない…。
兎にも角にも、正規の手続きで潜った者と救助依頼があった者達は、最後に助けたこの3人を最後に全員命に別状なく救助および避難が完了したらしい。
入口付近で合流した第三部隊の連絡係からその報告を受け、とりあえずの一区切りと言った所だろうか。
この後無事にダンジョンから帰還した俺は、紅に本部への連絡を任せ、第二部隊にダンジョン周辺の片付けと周辺警備第三部隊から引き継ぐ事をお願いし、第三部隊には今回ダンジョン内で発見された人達に聴取を取ってもらう事にした。
未だに意識が戻ってない者もいるが、数日中には目を覚ますだろう。
目が覚めて落ち着き次第 順次行ってもらいたい事と、聴取の内容は後日資料とまとめて報告して欲しい旨を伝え、庁舎に戻る為に用意された車に乗り込んだ。
「お疲れ様でした。やはり先生は強いですね、少しは強くなった気でいましたが今回の任務で思い知らされました…。」
少ししおらしい様子で先に乗車していた紅が話しかけてくる。
「気にするな、今回は特に厄介な部類だったからな。しかし命をすぐに奪いに来るタイプのモンスター達でなくて良かった。東が同行してくれたお陰であのモンスターも手早く処理する事が出来し、結果的に犠牲者を出さずに済んだ。ありがとうな。」
「勿体ないお言葉です。私の親の命で同行させていただいたにも関わらず沢山の経験を積ませてもらいましたし、最後のモンスター何て先生の助けが無ければ今頃私も要救護者になるところでした。本当にありがとうございます。先生には助けられてばかりです。」
そんな風に返され少しこそばゆい気持ちになって頬を掻きながら紅に提案する。
「じゃあお互い様と言う事にしないか?お互い感謝してるんだいいだろ?」
「ふふっ、そうですね。先生がそれでいいならそうしましょう。」
誰もが見惚れるような笑みを浮かべる彼女に釣られるように俺も笑っていた。




