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元教え子 東 紅 39

今にも飛び込んで来そうな紅を牽制しつつ次の行動に移るべく動き出した。



消耗している紅を休ませながらモンスターの亡骸から魔力結晶を探すべく、モンスターが居た中央で焼け焦げた肉を掻き分けながら探る。

程無くしてボーリングの球程の大きさの魔力結晶と、その傍らに手のひらサイズの小さな木箱が落ちていたのを発見した。


「これは…。」


モンスターは時折この様にアイテムを落とす事があり、強力なモンスター程確率が高く落とす物の種類も多いと言われている。

例えば危険度Ⅰなら薬効のある植物、ⅡならⅠの物と鉱石や価値の低い宝石等という風に落とす物に幅が出てくる。


そこら辺で沸いてくる雑魚ではまずそんなに落とす事は無いし、基本的に落としても一つだけだったりする。

落ちたらラッキー位の物である。


ただ、危険度Ⅲ辺りを超えて来ると魔力の籠った装備品や装飾品、アイテムが出始める。

それは市場で中々の値段で取引されるため、それを目的に潜る者達は結構稼いでいるらしい。


その中でも所謂ボスモンスターと言われている強力なモンスターが落とすアイテムは、効果が高く中々市場に出回らない為により高値が付くため、ダンジョンに潜る時の一種の目標になったりする。

それなりの実力を求められるのでそこら中にいる訳ではないが、ボスモンスター討伐を目指して潜る者は1割程はいるのではないだろうか?


閑話休題。

今目の前にあるこの小箱は間違いなく魔力の籠った品で、ここまで近づかないと気付かなかった所を見るに箱自体に魔力隠蔽か阻害の効果がある模様。

落としたモンスターがあれなだけに所有者に何かしら精神的な問題が発生しそうで怖い。


「一度持ち帰って検査だな。」


魔力結晶と小箱を持ち紅のいる所まで戻る。

彼女は魔力を補充しながら3人の身元を確認している様子。

近付いて声を掛ける。


「どうだ?」

「捜索依頼のあったターゲットで間違いなさそうですね、顔と名前、装備が事前に見た資料と一致してます。見た所魔力と気力がかなり少なくなっている以外は外傷等は無さそうです。」


特定を終わらせていてくれたらしい。

命に別状も無い様で良かった。


「そうか、なら後は無事に還るだけだな。」

「はい、第二部隊を待たれますか?」

「そうだな、ここを出た所で無線を入れよう。繋がったらその場で待って、繋がらなくても少し待とう。コーヒーとビスケットがあるから少し休憩だ。」

「いいですね!私も丁度一休みしたかったんですよ!」


無事仕事が終わりそうで緊張が緩んだのからか、お互い冗談めかして笑い合った。

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