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ギルド内の陰謀 8

ため息を一つ吐くと、俺はダンジョンの入り口に向かった。



黒部ダムダンジョン。

ダンジョンの発生という未曽有の災害に晒されても電力を作り続け、被災直後の関東を支えていたダンジョン。


ダンジョン化が発覚したのは少し落ち着いてからだった。

色々な発電所が止まっているのに何故一部ではまだ電気が使えるのかという疑問が出て来たのが始まりだ。


調査の結果黒部ダムがダンジョン発生前程ではないが、電力を作って送り続けている事が発覚。

この時はまだ天才が発見されて無く、魔力発電の発想すらなかった。


そのため政府は調査隊を結成。

その手柄を政府のものとするために俺には調査する事すら伏せられ、その結果ダンジョン化している事が判明。


ダンジョン化していると予想すらしていなかった調査部隊は隊長を含めた大部分の隊員を喪い、世間からは大失敗の烙印を押された。

これは当時の政府の愚行として、現代社会の教科書に掲載されるくらいの教訓になっている。


後日俺が部隊を引き連れ潜行し調査した結果、ダンジョンの魔力の流れが通常と異なる事が判明。

俺は研究者肌ではないためダムをどう管理して運用しているのかは分からなかったが、下手に触ると全てが止まる可能性があるという漠然とした予感は感じた。


そのため潜行難易度は最上級の未踏。

攻略した際にどんな結果が返ってくるか分からないため、攻略しないという形をとっている特殊なダンジョンだ。


発電能力の無い当時、このダンジョンから送られてくる電力は正に生命線であり、止まってしまったら国に止めを刺しかねない一大事だった。

ある天才が魔力結晶での発電を可能にしたことで重要性は大分減ったが、アンチダンジョンの方々からは熱烈な信仰を集めるダンジョンである。


モンスターの強さやダンジョンの地形を見るに、スタンダードとハードの中間位だと個人的には思っている(蜜園(みつぞの)曰く俺の判断基準は正確さに欠けるらしい)。

一歩を踏み出すと、ダムから落ちる水の音が少しだけ小さく聞こえた。

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