ギルド内の陰謀 7
そんな黒部ダムダンジョンの入り口に俺は到着した。
普段は潜行者がほとんど訪れないこのダンジョン。
誰が作った会社かは知らないが、ダンジョンの調査状況には結構詳しかった様だ。
このダンジョンは発生が確認されて以来色んな要因があって調査を後回しにされていたダンジョンだ。
勝手に動いている事や生態系について早く調査して欲しいと研究者肌の者達に言われたこともあるが、ダンジョンの有用性が広がった際、一般人の潜行が増加してその対応に追われたり、新しくダンジョン法なるものを作らないといけなかったり、如何せん暇と人手が足りなかった。
最近で言えば後進育成のための学園作りや部隊メンバーの訓練、お偉いさんや隊長達との会議。
そしてそれに付随して多くなっていく書類作業。
調査の進んでいないダンジョンに中途半端な実力者を送っても、事故や不測の事態で碌な事にならないのは想像がつく。
隊長達の誰かを向かわせればいいかもしれないが、彼等は彼等で色々と忙しい。
安全を取るならせめて隊長2人と位Ⅲ上位のメンツで固めた2部隊は用意してもらいたい。
言い訳とも思われるかもしれないが、現実は本当に非情である。
「ここでも人材不足の影響が出るとは...。」
一般職の採用枠を増やした方がいいのでは?
そう思って提案したこともあるが、上から返ってきた答えは現状出来てるなら問題無いだった。
余りにも先が見えてなさすぎる。
これが現場側と管理側の考えの違いというものだろうか。
いっその事ストライキでも起こすか?
ダンジョン産業の根幹を握っているのは現場側の俺達であり、そこが動かなくなったらさぞ困ることに...。
「いや、それではダメだな。」
俺は浮かんだ危険な考えを頭を振って散らす。
その結果一番被害を被るのは民間人だ。
それは望む所ではない。
ため息を一つ吐くと、俺はダンジョンの入り口に向かった。




