ギルド内の陰謀 6
その後、俺は彼から美白が行方不明になった経緯と場所等の説明を受けた。
彼曰く。
この会社の欲している素材になるモンスターが目黒ダムダンジョンにいるかもしれないと言われ、難易度的にも今後の繋がり的にも美白が自らが出ると決めたらしい。
しかし結果は失敗。
連れて行ったメンバーは怪我をしつつも無事に生還したが、殿として残った彼女は帰ってこなかった。
初老の男性は救助に動こうと声を発したが、ここで問題が発生。
そう、反対する者達が現れたのだ。
理由は忙しくて人手を割けないや、美白が苦戦する相手に挑んで無事に帰れる保証がない等様々。
対策本部に救援を出す案は組織の信頼を落とす行為だと却下されたらしい。
なんだそれは?と思う。
自分の組織のトップが行方不明なのに何もしない組織とは?
ギルド連盟の急拡大は組織の意思分裂という形で問題が出て来ているみたいだ。
彼の様な古参は美白を崇拝するレベルで信頼しているのに対し、新しく参加したギルドや潜行者のグループはそこまでではなかった様子。
「これはきな臭くなってきたな。」
幸いな事に俺の所属する対策本部では今の所この様な事は起こっていない。
ゆっくりと時間をかけて隊員達を育てて来た事が要因だと思いたい。
「そろそろか。」
俺は思考をやめ目の前に意識を戻す。
いつもの様に空中に足場を作っての高速移動。
最近この移動方法の出番が多いなと思う。
速いし楽だからしょうがない、飛行機やヘリがあんまり飛んで無くてよかったよ。
そして俺は目的地に降り立った。
過去日本一高いダムとして有名な観光名所であり、その建設に多くの犠牲者を出したダム。
1963年に建設されてから豊かな電力を送り続けていた過去の遺物。
ダンジョンとなった今では何でまだ動いているのか分かっていないらしい。
そんな黒部ダムダンジョンの入り口に俺は到着した。




