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ギルド内の陰謀 2

その事が信じられず、俺は素っ頓狂な声を出すのだった。



衝撃の報告に一瞬頭が真っ白になる。

あの美白(みしろ)が?


どこか掴みどころがなく、フワフワしているようで強かに立ち回れる図太さを持ち、戦闘面でもかなりの実力を持つ彼女が?

場所は黒部ダムダンジョンだったか。


確かに手強いダンジョンであることは間違いないが、彼女ほどの手練れが後れを取るとは考え辛い。

別に何か要因が?


「一先ず報告者に事情を聴いてみよう。事が事だ、俺が直接救助要請をして来た方と話そう。」

「承知しました。では狐塚(こづか)君を呼んでおきますね。」

「…あぁ、頼む。」


ここには居ないはずの狐塚の絶望した表情を幻視したが、今は緊急事態なので許して欲しい。

今度好きなだけ稲荷寿司食わせてやるからな…。


「有能なのも考え物ですね。」

「そう言うならもう少し手心を加えてやってくれ。」

「いえ、彼は追い詰められて伸びるタイプです。手負いの獣は恐ろしいと言うではありませんか。」

「それは少し意味合いが違うと思うんだ。」


俺の表情で察したのだろう竜胆(りんどう)がそんな事を言ってきた。

俺は苦笑いでそれに返す。


「小粋なジョークと言うやつです。彼女は隊長と古い仲です、きっとご心配でしょう。少しは落ち着きましたでしょうか?」


そう言いながら俺の顔を覗き込んでくる彼女の瞳は不安に揺れている様だった。

知らぬ間に心配をかけてしまったらしい。


「気を使わせてしまったな。大丈夫もう問題ない。じゃあ行って来るから後は頼んだ。」

「はい。ご武運を願っております。」


隊長の上着を羽織り扉を出る。

部屋の中では竜胆が恭しく頭を下げ見送ってくれている。


本当に出来た部下を持ったものだ。

俺が抜けても彼女がいれば組織は問題なく運営される、そう思えるくらいに。


「まぁ、もう少し難しいかな。」


小さな声でそう呟いた。

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