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そうだダンジョンに潜ろう 21

地面蹴り群れの中へ飛び込んでいった。



右拳には回転する円錐状にした魔力を纏わせ、正面から突っ込む。

群れ一糸乱れぬ動きで壁を厚く形成するが、歩兵の壁では俺は止められない。


指揮を執るボス個体に向かって一直線。

前に立ちはだかるモンスターを素材にしながら突き進む。


爆発する小型のモンスターは左手の指から発射する魔力の弾丸で撃ち抜く。

歩兵を抜ければ次は近衛型モンスターの層だ。


正面に並ぶ分厚い甲殻の大柄なモンスター達。

先程同様斜に構え、俺の攻撃を受け流そうと待ち構えている。


「同じ手で防げると思うなよ。」


1番手前にいた個体に拳を叩き込み、魔力の質を一瞬で切り替える。

硬から柔へ。


反発する力を全てモンスターの方へ押し付ける。

するとそのモンスターは吹き飛ばされて宙に舞い、仰向けになって藻掻いている。


どうやら1度ひっくり返ると中々戻れないらしい。

同じようにして目の前のモンスターを倒すのではなく退かす方向で道を切り開く。


ラッキーな事に吹き飛ばしたモンスターが数体巻き込んでひっくり返るため、壁の厚みはみるみる薄くなっていった。

そしてついにたどり着く。


「やぁ、さっきぶり。」

「Kiki...」


ボス個体の静かな鳴き声と関節を動かすミチミチとした音が聞こえる。

周りにはひっくり返って蠢いている近衛達と、少し離た所に歩兵型達。


こちらに来ようにも近衛型を踏むのを躊躇っているのか、困っている様だ。

自爆型もこの距離だと近づけない様子。


ボス個体が前脚を振り上げ攻撃してくる。

振り下ろされたその攻撃に合わせ、下からアッパーの要領で魔力を纏った拳をぶつける。


前脚が跳ね上がり、ボス個体の上半身が浮かび上がった。

腹側が晒される決定的な隙。


その隙を見逃すはずもなく。

纏った魔力を杭の形に変形させて空いた腹に杭を打つ。


しかし、深くは刺さらなかった。

どうやら腹側もかなりの硬さらしい。


だが、確実に食い込んだ。


「パイルバンカーってのがあってな。」


食い込んだ杭に間髪入れずに拳を叩き込む。

今度は爆発する魔力のおまけ付きだ。


爆発音と衝撃で辺りが砂煙に覆われる。

砂煙が収まった後。


そこには無傷の俺と、上半身と下半身が別れたボス個体がいた。

その瞳はもう何も映していない。

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