そうだダンジョンに潜ろう 16
それを回収してさっさと階段を降りるのだった。
次の階層は枯れた渓谷の様な場所。
左右を断崖絶壁に挟まれ、進む道は限られる。
壁の所々に穴が空いていることから、そこがモンスターの住処になっていると思われる。
気配察知と魔力察知を使用したところ、案の定群れの様な複数の気配と、ボスだろうか?少し大きめの魔力を感じた。
このフィールド的には鳥系か虫系のモンスターだと思われるが、数が多いのと複数の気配が折り重なっているため全体像が分かりづらい。
だが、俺の目的である体を動かす事は出来そうである。
俺は緩みそうなる表情を引き締め、隠している魔力を少しだけ表に出す。
まるで、弱って何とか魔力を絞り出したかのように。
仕留めやすい獲物がここにいるよと誘うように。
効果は抜群だった。
真っ先に出てきたのは大きな気配を持っていた個体だ。
針の様な突起が生えた甲殻に身を包み、巨大なハンマーの様な前足と腹から生える4本の脚。
シャコのような目と縦に割れ、凶悪な牙が並ぶ口。
頭部には甲殻の棘よりも一際鋭そうな角が長く伸びている。
初めて見るモンスターだ。
この様なモンスターの発見報告も聞いていない。
「これは開発部が喜びそうだ。」
見るからに硬そうな外殻と鋭い棘。
先が僅かに濡れているように見えることから、何かしら毒のようなものも使ってくるのだろうか?
そしてあのハンマーの様な前足。
あれからどの様に攻撃を繰り出し、その攻撃はどれ程の威力を持っているのだろうか?
ただ振り回すだけ?それとも外のシャコのように超高速のパンチを繰り出すことが可能なのか?
まぁ、その辺りは研究者肌の者達に任せるとしよう。
「まぁ、まずは。」
あのボス個体と思われる個体を綺麗な状態で確保しなくてはなるまい。
自然と口角が上がるのを感じる。
群れが少し怯んだような気がした。




