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元教え子 東 紅 25

紅にアイコンタクトで合図を送り、頷きを確認し扉をゆっくりと開けた。



空いた扉の隙間から中を見る。

見える範囲にモンスターの影はない。


中に入り左右を確認、事前に察知していた通りモンスターはいなかった。


「モンスターなし」


そう声を掛けると、紅が部屋に入ってくる。


「3名ですか、先程とは違いこの方達は意識が無い様ですね。」

「あぁ、何か身分証のような物がないか調べる。」

「?」


奥の壁にしぐったりと座り込んでいる3人。

檻にも入れられておらず、座り方も不自然だ。

まるでそこに誰かに置かれた人形の様な…。


真ん中のヘッドギアを付けた男性に近づき脈と身につけている物を確認する。

脈はあるが、道中見つけた人達同様、魔力と気力がほぼ無い。

抵抗のため使ったのか、奪われたのか…、おそらく後者であろう。


「ん?」


ふとした違和感、残りの人達も確認する。

やはりおかしい。


「東、先程の彼女等は結晶装備を全員所持してたか?」

「?はい、全員無色でしたが所持していました。」

「そうだよな…。」


今までしてなかった荷物確認をする俺に疑問を抱いたのか、紅は困惑した様子だ。


ここは旧新宿駅ダンジョン。

工具や普通の刃物で潜れる様な初心者用や訓練用のダンジョンではない。

なのにだ。


「しまったな、急ぎすぎて見逃していた…。」

「何をですか?まさか…。」


彼女も気付いたのか、驚いた表情でこちらを見る。


「この3人結晶装備を付けてない。この旧新宿駅ダンジョンに潜ると言うのに…。」

「何だかキナ臭いですね。」

「最悪俺達だけでは手に負えんぞ…。」

「だとしたら許せませんね。」


そうだった場合の対応、並びに事後処理の事を考えると頭が痛い。

彼女も同じ考えに至ったのか、怒りの感情が漏れ出ている。

どちらにせよ進めば分かるか。


「まぁ、まだ決まったわけではない。確定するまでその怒りは納めておくんだ。」

「はい、失礼しました。」

「次に向かおう、進めば分かるさ。」

「了解です。」


よかった、納得はしてくれた様だ。

一抹の不安と疑惑を抱え、俺達は次の扉に向かうのだった。

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