そうだダンジョンに潜ろう 3
そんな事を考えていたら遠くに階段が見えた。
階段の手前には獅子の顔に鷹の身体を持つマンティコアと呼ばれるモンスターが鎮座している。
危険度はⅣと通常であれば危険なモンスターだ。
所謂フロアボスやゲートキーパーと呼ばれる存在で、大体のダンジョンには階段や次の階層の扉の前にその階層では出ない強めのモンスターが配置されている事が多い(一回層のフロアボスは俺を見た途端逃げ出した)。
俺は気にせず進む。
あちらも俺に気付いたのか、こちらを見つめ警戒態勢に入っている。
更に俺が近づくと、マンティコアは座った体勢から腰を上げ唸りながら近づいてくる。
完全に敵とみなしたのか、奴の後ろ脚に力が入るのが見えた。
次の瞬間には牙と爪をむき出しにして飛び掛かって来た。
俺は体の内側で練っていた魔力を一瞬で手に纏い、マンティコアの爪を躱して顔面を平手打ちする。
パンパンの風船が割れた時のような音と共にマンティコアの顔面が爆散し、残された体が力なく地面に沈む。
魔力に指向性を持たせていたので、血や体液を被る事はなかった。
マンティコアの素材は主に胴体に使い道がある。
翼の風切り羽はいい矢の素材になるし、魔力を扱う上での良い触媒になる。
鷹の足の爪はそのままでも下手なナイフよりよほど切れて頑丈な為、簡易的なナイフとして重宝する。
肉は結構癖があるが、一部ダンジョン食材愛好家には人気の食材だ。
今回は翼と爪と魔力結晶だけ貰って行こう。
残りはダンジョンのモンスターの餌になるだろう。
手に入れた素材を袋に詰めて背負い直す。
改めて階段を覗くと、奥は底の見えない真っ暗な空間になっている。
はたして今回の新宿駅ダンジョンはどんな顔を見せてくれるのだろうか。
俺は期待に胸を膨らませながら次の階段を下りるだった。




