元教え子 東 紅 23
小さな俺の呟きが聞こえたのか、目の前の彼女は首を傾げた。
閑話休題、彼女並びに彼女等が協力的でないとしても、今の俺達にどうこうするつもりは無い。
2人でこの人数を連れ歩くのは得策ではないので、ここも後程来るであろう第二部隊に任せることにしよう。
「今救助担当の部隊が此方に向かっております。我々はここら周辺の安全確保の為、付近のモンスターの殲滅を行います。ですので貴女方はこの場に留まり安全確保に努めてください。」
彼女達にそう告げると、返ってきた反応は、檻から出れて一応自由の身になった安堵半分、俺と言う戦力に手柄を取られる事による焦り半分と言った所…。
余計な事をしないようにするために一応釘を刺しておこう。
「付近のモンスターの中には位の高いモンスターも発見されています。もし此方の指示に従わずここの探索をしに出た場合、命の保障と責任は負えかねますのでご注意下さい。次も助けられるとは限りませんので。」
実際近くで見る彼女達の気配は、先程話した緋葉が位Ⅲの後半、他は位Ⅱ前中半と言った所。
よくもまぁこの戦力でこのダンジョンに潜ったものだ。
予測でしかないが、この五人の中に索敵能力か気配察知に優れた者がいるか、他にも一緒に潜った仲間がいたのだろう。
そうでないと目的の人物を発見したとしても、救助から帰還までの行程が厳し過ぎる。
先程のやり取りで答えなかったと言う事は、それなりの人数で潜ったのだろう。
それこそ彼女達5人が離脱しても救助、帰還を遂行し、彼女達も助けに来れると思われる戦力でだ。
「先生、お待たせしました。結晶装備の充填完了です。」
紅から声が掛かりそちらに目を向ける。
「くれぐれも安全第一でお願いしますね。」
「はい、助けていただきありがとうございます。」
本当に大人しくしていてくれよ…。
「では東、次の場所に向かうぞ。」
「はい!」
取り敢えず行方不明者を発見出来た事は喜ばしい事だ、この調子で残された人達も無事見つかるといいが…。
そんな事を思いつつ俺達は他の部屋の探索も進めるため、この部屋から出るのだった。




