あの後とこれからと 7
そう思いながら手元の書類を片付けて行くのだった。
隊長会議当日。
現場は混迷を極めた。
今回判明した事の報告会、並びに今後の活動の方針を決める大切な会議。
だったはずだ…。
今思えば始まりから不穏な空気は漂っていた。
上機嫌の水藻、明らかに不機嫌な土倉。
その間で空気が読めず大笑いしている騎士道と、うるさそうにしている月隠。
そして何かを考えているのか、独自に持ってきた資料を見てニコニコしている白金。
呆れた様子でそれを眺める蜜園と、静かに微笑んでる義重殿。
事の始まりは俺が今回の情報を皆に伝え、各隊長達の報告に移った時だった。
義重殿と蜜園までは良かった。
問題はその後、水藻が報告の番になった時に起こった。
「先ずは人事の件で貴方に感謝を。彼のおかげでわたしの研究は飛躍的に前進しましたねぇ。残念ながら今回はその成果物を持ってくることはできませんでしたがぁ。替りに資料を持ってきましたねぇ。後程届けますので是非目を通していただきたいですねぇ。」
起立し大袈裟な身振り手振りでそう言う彼は、チラリと土倉の方を見て話す。
「ああ、竜胆からの報告でも聞いている。熊谷のおかげで新たな技術革新が有るかもしれないってな。」
「ええ!その通りですとも!彼の能力は本当に素晴らしい!自身の実力以下で知性が低いという条件はありますがわたしの専門であるダンジョンバイオミメティクス的にも相性は最高と言ったところでしょう!モンスターの異常発生は魔王の能力で、我々には再現不可能だったのは残念ではありますが、補って余りあるものですねぇ!」
「そ、そうか。」
興奮気味に話す彼の話が進む程に不機嫌なっていく存在が一つ。
机をトントンと指で叩き、最早イライラを隠す余裕も無いようだ。
水藻はテンションが上がりきって言葉が止まりそうにない。
そして、ついに懸念していた発言をしてしまった。
「どこかの部隊が作った中途半端な簡易前哨基地キットなんて、比べ物にならないですねぇ!」
「水藻、それは」
言い過ぎだと彼を静止しようと声を出した瞬間。
「何やてワレごらぁぁ!!!!」
普段彼女からは聞かないような怒声。
俺の声はそれに遮られた。




