あの後とこれからと 5
その間、月隠は体勢を変える事は無かった。
月隠の報告を聞いた後、頭の中で軽く今の情報を整理する事にした。
まずは今回のカルト集団に首謀者。
これは自称魔王の無貌の悪魔で間違いないだろう。
ダンジョン災害で亡くなった人達の生命力を吸収し力を付けて魔王(仮)となった奴は地上に進出し、随分と早い段階から狐塚と鰐淵に目を付け囲い込んだようだ。
この事は2人の事情徴収において判明した。
両名ともダンジョン災害で家族を失い、困窮していた所を拾われたらしい。
ダンジョン関連のルールが出来る前にダンジョンに潜り、ある程度2人を鍛えてたみたいだ。
ルールが出来てからは人里離れた廃棄予定ダンジョンに潜り、その際手に入れた素材や結晶装備を裏ルートで売却して活動資金にしていたようだ。
ある程度資金に余裕が出来たら人員を集め、その中から現状に不満のある実力者を幹部にしていったらしい。
活動が活発になり始めたのはこの辺りからだそうだ。
現状に不満のある過激派が増えた事で、強引な動きや勝手な行動をする者達が出始めたようだ。
潜行者をターゲットにし始めたのもこの時期で、潜行者の行方不明者が出始めた時期と合致している。
2人と熊谷はこの動きに否定的だったみたいだが多数決的判断と、奴のダンジョンで亡くなった人間の生命力を吸収する性質上、潜行者を狙うのは理にかなっていたのだろう。
そう言った事情で反対をしても聞き入られなかったとは狐塚の談だ。
最終的な被害者で分かっているのは第六部隊の者が撮って来た写真の2人だけだが、結構な人数が被害に遇っていると思って間違いないだろう。
そして問題は海外の魔王的存在の状況だ。
あの時流れ込んできた情報、海外の被害状況は思っているよりも深刻だ。
奴の言っていた通り被害者の命が力になるとしたら大きな国、特に人口の多い地域を持っていた存在は奴より強大な力を持っている事は安易に想像がつく。
俺はまた一つ悩みの種が出来たのだった。




