元教え子 東 紅 22
俺は彼女が魔力を補充している間に少しでも情報を得るべく、檻に閉じ込められていた女性達に再び話しかけた。
彼女達は檻から出て此方を見ていた。
自分で動ける程度には体力は残っている様だ。
「解放されてすぐに申し訳ないのですが、ここまでに至る経緯をお聞きしても?それと他に生存者の情報があれば教えて貰いたいのですが、ご協力お願い出来ますか?」
出来る限り笑顔でそう問いかけると、彼女達の中で年長者と思われる長身の女性が一歩前に出て話し始めた。
「アタシはギルド【獅子の星】所属の冒険者 緋葉 忍です。救助に来ていただきありがとうございます。音に聞く第一部隊の隊長が何故ここに?」
獅子の星か…。
民間ではダンジョンに潜る者たちの事を冒険者と呼び、その互助会やまとめ役をする組織をギルドと呼んでいる。
公的な物もあるにはあるのだが、そこに所属すると公務員の様な扱いになるため、手に入れた魔力結晶やアイテムを政府に納めなくてはいけないので、人気は全くない。
装備やある程度潜るためのアイテム等を支給してもらえるメリットはあるが、魔力結晶やアイテムは公務員の給料より高い、こんな時代だダンジョンに潜ろうと思うものは皆一攫千金を狙っている。
民営が活発化するのも然もありなん…。
「申し訳ないのですがその質問にはお答え出来かねます。」
「そうですか、残念ですがこちらも何も分からないのです。気付いたら檻の中に入れられてて…。」
「…成程。」
嘘だな…。
頬に手を当て困った様に眉を寄せているが、此方の動きに警戒している。
囚われてた為の警戒という線もあるかもしれないが、僅かだが確実に敵意が漏れている。
おそらくだがお偉いさんのお孫さんを見つけに来たのだろう。
それで俺が出て来たから横取りされたくないと言った所か…。
やれやれ、民間からしたら政府のお偉いさんとのコネは喉から手が出るほど欲しい様だな。
「そんないいもんじゃないぞ…。」
「?」
小さな俺の呟きが聞こえたのか、目の前の彼女は首を傾げた。




