カルト集団本部鎮圧戦 27
男がそう呟くと壁の肉が大きく脈動し、2本の肉の触手が現れた。
リーダーと思われる男の声と共に現れた肉の触手。
その表面は粘液で覆われテラテラと光を反射し、その粘液を滴らせている。
その根元は壁に繋がっているようで、壁から伸びる様に生えてきている。
この気色の悪さはいつぞやのモンスターを思い出すが、恐らく関係性はあるだろう。
この後聞くことが更に増えたな…。
素直に吐くとは思えないが。
その触手が迫る。
俺ではなく白い布を被った2人の男性に。
「え?」
「きょ、教祖様!?」
俺と向かい合っていた2人は背後に迫る触手に気付かず、胴を掴まれ体が浮く。
「ぎゃあああああああ!」
「何故!何故です教祖様!」
ミシミシと音を立て男性2人を締め上げる肉の触手。
俺は咄嗟に駆け出し触手を切断しようと、手を手刀に変え魔力を形成し触手に切りかかった。
「!!」
驚いたことに俺の攻撃は触手を切断するに至らず、半分程で魔力の刃が止まる。
幸いな事に俺の攻撃で肉の触手は怯み、2人の男性からその手を離した。
地面に落ちた2人は意識を失ったのか反応は無い。
間に合ってはいると思うので、死んではいないだろう。
「どういうつもりだ?」
突然の暴挙にリーダーと思われる人物に思わず疑問を投げかける。
味方を攻撃する何て信じられない、しかも俺が助けなければ確実に死んでいた。
「おや?アレを切りますか。最強と言われるだけあってなかなかやるようだ。どういうつもりかですか?信じる神に身を捧げるのは最高の名誉ではありませんか。それが貴方の様な強力な侵入者を倒す為とあらばなおの事。」
「狂ってるな。」
「ふっふっふ。」
話しても無駄。
これが目の前の者と会話して俺の抱いた感想だった。
「ここまで来た褒美です。本気でお相手しましょう。」
そう言うと彼は自らを覆う白い布を脱ぐ。
「どうです?恐ろしいでしょう?さあ、ダンジョンの意思による恐怖に竦み膝を折るのです!」
そこには人型の影の様な無貌の存在が両手を掲げて立っていた。




