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カルト集団ダンジョン事変 18

そしてその中央にはあの男が頭を抱えて蹲っていた。



遂に発見した例の組織に所属していると思われるこの男。

蹲っていて良く分からないが体型は普通、背は結構高そうだ。


俺達を追いかけていた時の怒りの様子は鳴りを潜め、よく見ると震えているように見える。

俺が近くにいる事にも気付いていない様子で、目をぎゅっと閉じて頭を抱えて耳も塞ぎ、言葉にならないナニカをブツブツ呟き続けているようだ。


この状態は…。

いやいやそんなまさか。


この男の状態にある精神疾病を想起した。

見ているだけでは埒が明かないので取り敢えず声を掛けてみる事にしよう。


「武器を捨てて投降しろ。ダンジョン内での潜行者同士の諍い事は御法度だぞ。君の場合は現行犯だ。話を聞かせてもらう。大人しく従えば悪いようにはしない。」

「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ・・・。」


話しかけてみたが全く届いて無いみたいだ。

完全に自分の世界に入り込んでいる。


見た所両手の指全部に嵌めた10個の指輪。

これが彼の武器に当たるもので間違いないだろう。


嵌めている指によって微妙にデザインが違う。

他に目立った装飾品や武器の様な物が無いため、これが彼の装備だと思われる。


これでモンスターを操っていたのだろう、そうだとしたらこれは結晶装備なのだろう。

そうでないとしたら我々の知らない所でとんでもない技術革命が起こった事になる。


それは考えづらいので、結晶装備の能力と見積もった。

結晶装備の能力であれば、大体の不思議現象をそういうものと考えられるからだ。


動きが無いので、今度は男の肩を揺すりながら声を掛ける事にした。

あまりいい予感はしない…。


「おい、大丈夫か?俺の声は聞こえているか?」

「…?っ、っっう、うわぁ!!!!!!!」


男が気付いたのかこちらを見上げる。

目が合った瞬間男は目を見開き叫び声を上げながら遠ざかろうとする。


その際足が覚束ないようで何度もこけている。

壁に付くと俺との位置関係を把握したのか絶望の表情を浮かべている。


そして急に泣き出したかと思うと、次の瞬間には崩れ落ちるように五体投地した。

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