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カルト集団ダンジョン事変 17

何としてもあの男を捕えなければ。



ダンジョンに再び潜るとそこは酷い有様だった。

入口付近や通路にサソリ型モンスターのものと思われる体の一部や紫色の液体が散乱し、動く影は一つも無い。


もしかしたらやってしまったかもしれない…。

一抹の不安がよぎるが確認してみないと分からないだろう。


取り敢えず深くに潜る事にする。

見落とすと厄介なので気配を探りながら虱潰しだ。


横穴にも魔力を飛ばし、探りながら潜っていく。

中層まで潜って来たが未だ発見に至っていない。


俺の最後の一撃が良くなかった。

仲間が危なかったからか、守りながらの撤退戦だったからか、それともいつもの業務なのか、俺も気付かない内にフラストレーションが溜まっていたのかもしれない。


想定以上の魔力を込めて放った一撃は、このダンジョン内の魔力を大きく揺らしてしまっている。

イメージとしては大荒れの海といったところだろうか。


荒れすぎて上手く魔力や気配での探知が出来ない状態になってしまっているのだ。

大きな魔力を一気に破裂させるとこんな現象が発生するんだな…。


これは今後の反省として、この結果は研究畑の者達に後で報告しておこう。

目を輝かせる百合(ゆり)水藻(みなも)、2人とは違う意味で興奮する白金(しろがね)騎士道(きしどう)、呆れる蜜園(みつぞの)まで想像できた。


想像して苦笑いが浮かんだ。

身内ながら中々に濃い面子である。


例の男を探しながら更に深くに潜る。

深層に入りある不思議なものを発見した。


横穴の入り口をサソリ型のモンスターが固まって塞ぎ、バリケードの様になっているのだ。

明らかに怪しい…。


十中八九この中にあの男がいるのだろう。

モンスターこちらを威嚇する様に鋏を振り上げ近づけないようにしている。


俺は何だか申し訳ない気持ちになりながらも、魔力を纏った拳でそのバリケードを破壊する。

バリケードになっていたモンスターを全て討伐すると、その先は少しだけ開けた場所だった。


そしてその中央にはあの男が頭を抱えて蹲っていた。

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