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カルト集団ダンジョン事変 16

俺は止まることなくモンスターを薙ぎ払い続けた。



更に進み表層付近に到着した頃。

前方のモンスターは更に危険度が下がり、俺は再び後方に戻って後ろから追ってくるモンスター達を足止めしながら討伐できるものはそのまま倒している。


隊員達にも多少余裕が出来たので(あずま)は先程の隊員に預けたままにしているため、余裕を持って後方のモンスターに対応できている。

おそらく彼らは今脳内物質が大量に発生している状態だろう。


地上に帰還して落ち着いたら大変な事になるかもしれないが、今を生き残れば何とでもなる。

頑張って切り抜けて欲しい。


只野(ただの)隊長!まだ遠いですが外の光が見えました!」

「よし、今のまま確実に前進するぞ。逸るなよ。」

「「「了解!!」」」


後ろに余裕が出来たら前もフォローしながら着実に前に進む。

そしてしばらく経ち遂にダンジョンの入り口であり出口にたどり着いた。


隊員達を先に脱出させ俺は最後にダンジョンを出る。

出る際に今まで散々撒いた炸裂する魔力の塊を遠慮ない威力で後方に投げる。


「うおっ。」


今までのダメージからか、ボロボロのサソリ型モンスター達の先頭にいたものに当たり、とんでもない音と共に衝撃が走る。

少し強くしてしまった様で俺にまで衝撃が届き、俺は吹き飛ばされるようにダンジョンを脱出する。


先に出て外にいた隊員達を飛び越し地面に着地する。

仮設テントの方から外で待機していた隊員達がこちらに駆けてくるのが見える。


俺は振り返り無事に全員が帰還したことを確認すると同時に魔力と気配を探る。

あの男が言っていたような者の気配は感じないが油断は出来ない。


「帰還者を休ませてやってくれ。俺は再び潜って例の集団の関係者と思われる者の身柄を確保しにいく。俺以外の人間が出てきたら拘束しろ。それと、他に仲間が潜んでいる可能性がある。例の組織は魔力等での察知を妨害する術を持っているぞ油断はするな。」

「「「「了解です!」」」」

「直ぐに戻る。」


それだけ言うと俺は踵を返し再びダンジョンに潜る。

何としてもあの男を捕えなければ。

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