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元教え子 東 紅 17

紅が優しく彼等に声を掛けるのを背中越しに聞きながら、俺は第二部隊が早く到着するのを願うのだった。



そこから残り2つの部屋も回ってみたが、成果はなし。

モンスターこそいれど位も低く、結晶装備を展開してすらいない紅に一蹴されて戦闘終了。

しかし、行方不明者は発見出来なかった。

だとするならば…。


「東、確実に隠し扉や、通路の類がある。一度戻って徹底的に探るぞ。」

「了解です。しかし何故分かるんですか?先生は疑うのではなく、確信していらっしゃる様です。何か基準があるのでしたら今後の為にもご教授願いたいです。」


疑う訳でなく、本当に気になったのだろう。

紅が見上げながら聞いてきた。


「学ぶ姿勢は関心だが今では無いな。後日機会があったら教えよう。」

「本当ですか!約束ですよ!絶対ですからね!」

「お、おう…。」


凄い食付きだ、向上心があって大変結構。


「何処にしましょう?最近ダンジョンセンター前にオシャレなカフェが出来ましたし、そことかどうだろう?いや…でも…あそこも…」


テンション上がり過ぎでは?

一人でブツブツと悩み始めたので釘を差しておく。


「落ち着け、まだ任務中だ。終わったあとにのんびりと決めればいいさ。」

「!!失礼しました!!」


自分の失態に気付いたのか顔が真っ赤である、その落ち着きの無さに若さを感じながらも、在学中の事を思い出し懐かしい気持ちになりながら道を戻る。


「ここで間違いないだろうな。」


立ち止まったのはここに入ってきた時の扉の通路とは真反対にある通路の壁の前。

扉1つなく明らかに怪しい。


床を見る。

艶のない石張りで、何かを引き摺った様な跡はない。

しかし、気配がある、この壁の向こうに大きな気配が。


壁をノックの要領で叩く。

軽い音がしてこの先が空洞であることが分かる。

半身になり拳を腰に引き構える。


「この先が空洞になっている。打ち抜くから下がっててくれ。」

「了解です。」


落ち着いた紅が角の方まで下がったのを目視で確認、向こう側にも壁の近くに気配がないことを確認して拳を打ち出した。


激しい破壊音と砂煙と共に、他の扉と同じサイズの入り口が現れた。

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