表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
236/241

カルト集団ダンジョン事変 9

俺はポーチからダンジョン産の薬を取り出した。



隊員達を一カ所に集めて重度の者から薬をかけていく。

かけた瞬間全身が淡く光り、折れた腕や足が元の位置に戻り怪我が治っていく。


ダンジョンで時折手に入るこの薬、目下研究者達が再現しようと挑戦しているが未だに造れていない代物だ。

そのため入手方法はダンジョンで手に入れるしか無く、それも結構深い場所での宝箱や人型のやや強いモンスターを倒した時に極稀に落とす事でしかお目にかかれない。


重症も一瞬で直してしまうこの薬は勿論価値がとても高く、先行者だけでなく一般の金持ちや政治家も求めてる一品であり、常に在庫不足で通常なら使い所を考えるべきダンジョンアイテムだ。

しかし俺は過去のダンジョン生活や潜行でかなりの数を保有しているのでどんどん使う。


過去に百合(ゆり)水藻(みなも)をはじめとした研究畑の者達にドン引きされた過去がある。

その後資料提供という名のカツアゲをくらったが、造れるようになるのならまぁ良しとしよう。


「ぐぅっ…!」

「気が付いたか。これで全員では無いな?何があった?無理のない範囲で話してくれ。」


一番軽傷だった者の意識が戻ったようだ。

気が付いたばかりで申し訳ないが事態は一刻を争う。


残ったと言われている(あずま)の姿が無いのだ。

探った限りこの場所にはいない事が分かっている。


「た、只野隊長。救援感謝します。我々は殿として「ああ、君たちの尽力のおかげで多くの隊員が無事生還している。何人で残ったんだ?」

「東隊員が班長を務める我々の班4人だけですっ。」

「分かった。動けそうか?」

「え?ぁ…。はい!動けます!」


彼は自分が回復している事に気付いたのか、飛び起き体の調子を確かめている。


「ここは行き止まりだし繭しかない。他の隊員が目を覚ましたら繭を全て破壊して入り口にバリケードを築け。俺が戻ってくるまでここで待機だ。食料と水、武器は置いて行くからこれを使ってくれ。俺は東を探しに行く。」

「了解です!」


俺は自前の袋から今言った物を取り出して置くと、目を覚ました隊員に他の隊員の介抱と待機命令を出しこの場から空洞の通路に戻る。

再び空洞に身を投げ出し、急降下しながら東を捜索し始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ