カルト集団ダンジョン事変 7
魔力で窓枠の強度を高めて蹴り、俺は空に飛び出した。
下の景色が凄い勢いで変わっていく。
風を切る音が轟音になって聞こえる。
今俺は文字通り空を駆けて現場へと向かっている。
普段はあまりしないのだが、緊急事態であり一刻を争う状況なのだから出し惜しみ何てしてる場合では無いので、最速の方法を取らせてもらっている。
この勢いのままダンジョンに突撃し、一気に深くまで潜行する予定だ。
事前に竜胆が連絡をしてくれているので入り口周辺の退避は済んでいるだろう。
角度の付いた魔力の足場を作り蹴る。
勢いが落ち切る前にまた作って蹴る。
ダンジョン災害後、高い建物は少なくなり、飛行機も飛ばなくなった事もあり空はこんなにも広くきれいになった。
緊急事態でなければのんびりと空中散歩でもしたいくらいだ。
中には昔の様な摩天楼が並ぶ街並みが良いと言う者もいるだろうが、俺はこっちの方が良いなと思う。
これは人それぞれだろう。
景色が変わり街の様相から自然が多く見えるようになってくる。
端末から通信を知らせる振動を感じたため少し速度を落とし確認する。
そこには竜胆からの連絡で、取り残された者達のおおよその位置が記されていた。
俺はそれを確認すると、男体山と女体山の山頂を繋ぐ山頂連絡路が見えたのでそろそろかと突入態勢に入る。
筑波山の廃棄予定ダンジョンは男体山の山頂にある。
山頂にまるで掘られたかのような穴が開き、その横の少し離れた距離に対策本部のテントが設置されている。
あの距離なら巻き込むことはあるまい。
俺は魔力の足場を使い体制を調整し、その穴を目指す。
数人の隊員が俺に気付いたようでこちらを指差し仲間に声を掛けているようだ。
横目で驚いた表情をする彼らを見ながら、俺は勢いそのままにダンジョンに突入するのだった。




