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カルト集団ダンジョン事変 4

今の状況ではそうでない事を願う事しか出来ない。



竜胆(りんどう)が淹れてくれたコーヒーを飲んで少しだけ落ち着いた。

少々気が荒立ってしまった事が少し恥ずかしい。


兎にも角にも第六部隊に感謝と継続してかの組織の情報を集めるよう指示を出さなければなるまい。

その際くれぐれも無茶はしないように釘をさしておくことも忘れない。


目下の知りたい事は組織の正確な規模と目的、核となる構成員の人相等に関わる情報だ。

敵を知り己を知れば百戦危うからずとは少し意味合いが違うかもしれないが、今は余りにも相手の事が分からなすぎる。


少しでも情報があれば、仮に何か仕掛けて来た時に対処できるはずだ。

少なくとも何もないよりかは何倍もマシだ。


もっと情報収集の人員を増やしてもいいかもしれないが、多くなりすぎると勘づかれる可能性がある。

ここは月隠(つきごもり)の采配に任せる事にしよう。


こと諜報や隠密といった事に関しては右に出る者はいない。

そこの調整も上手くやってくれることだろう。


俺は端末を操作して電話を掛ける。

幸いな事に急な連絡でも相手はすぐに出てくれた。


『これはこれは隊長殿。如何されましたかな?』

「義重殿。急なお電話で申し訳ありません。急いで廃棄予定のダンジョンを完全攻略する必要があります。なので第二部隊の中で何班かダンジョンの攻略が出来るメンバーを募って頂けないですか?」

『ほほう。それはそれはまた急ですな。承知した、声を掛けておきますわい。』

「ありがとうございます。詳細は後程改めて。では。」


電話を終え端末を仕舞う。

廃棄予定のダンジョンを今から潰して回るのは相手に違和感を持たれてしまうかもしれないが、元々危険視はされていたものなので、ある程度の言い訳は立つ。


多少は警戒されてしまうかもしれないが、彼等の目的である()()()がダンジョン内でしか出来ないものなのであれば、その芽を摘んでおくことは無駄にはならないだろう。

第二部隊の仕事を増やしてしまって申し訳ないが、スタンダードレベル以下のダンジョンはお願いしたい。


俺はハードレベル以上の廃棄予定ダンジョンを片っ端から片付ける事にする。

これはまた書類が溜まりそうだなと思うのだった。

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