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カルト集団ダンジョン事変 3

すると彼女は無言で頷き、その画面を俺に見せてくれた。



そこにあったのは写真や動画といった資料の内容を補足するためのデータだった。

それは資料の内容に信憑性を持たせるために用意したものと思われる。


ダンジョン内部で動く例の白い集団の写真、集まって何かしている所やどこかに連絡をしている様な動きを動画に収めたものだ。

どれも遠くから撮ったものなのか音声等は殆ど入ってなく、画像も写真を無理矢理拡大したからか結構ぼやけている。


先程の資料曰くこれを撮った者は流石に多勢に無勢と思ったのか、これしか出来なかった事を申し訳なく思っているらしい。

今はこの謎の組織については分からない事が多すぎるので、安全第一で動いてもらった方がありがたい。


下手にこちらの動きが察知されて警戒されたら、情報収集も難しくなってしまう。

それにもしこれで逆上されたら何を始めるか分からないので、今は確実に一歩一歩この組織の目的と規模等を見極めていく事が肝要だと思う。


一度言ってはいたが、月隠(つきごもり)に後程改めてその事を通達しておこう。

そう思いながら次の画像を開いた時、俺は思わず眉を顰めた。


そこにはボロボロの潜行者と思われる2名の人物と、人の腰位の高さの肉の塊が映っていた。

この肉の塊はどこか見覚えがある。


もしこれがあれと同じモノならば大変危険で厄介だ。

何故ここにいるのか、なぜこの集団と一緒なのか、様々な疑問が頭に浮かぶ。


発生したのか、それとも造ったのかどちらにせよこのモンスターをこの集団は所持していると思っていいだろう。

俺の想像通りのモンスターならこの写真に写っている人物はおそらくもう…。


竜胆(りんどう)も何か察したのだろう何とも言えない表情でこちらを見ている。

そこで俺は自身が思わず力が入って拳を強く握っている事に気付いた。


まだ憶測だと自分を落ちつかせる。

そうだまだそうと決まった訳ではない。


「すまない。コーヒーを淹れてくれないか?」

「はい、すぐにご用意します。」


彼女が席を立ちお湯を沸かし始める。

もし仮に彼らがその一線を越えていたら相応の対処をしなくてはならない…。


今の状況ではそうでない事を願う事しか出来ない。

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