カルト集団ダンジョン事変 1
各隊長達のお願いを叶え終わり早数日。
俺は今日も執務室にて書類を処理し続ける機械になっていた。
「そちらが終わりましたらこちらの書類にも許可印をお願いします。」
「分かった。そこに置いておいてくれ。」
書類に目を通す、印を押す。
書類に目を通す、印を押す。
竜胆達がある程度優先順位を加味して選別してくれているとはいえ、俺の許可が必要な書類は山程ある。
あの期間にも少しづつ処理していたが全く減っている気がしない。
それに義重殿の屋敷で見たあの動画。
あの動画が流れて以降、まだ少ないが例のカルト集団に対して民間から不安に思う声が出て来ている。
奴らのリーダー格と思われる男が持っていたあの球体も気になる。
あれだけ前面に出してきているのならただのシンボルで終わりという事はないだろう。
思考が少し逸れながらも目の前の書類を片付けて行く。
すると執務室の扉がノックされ隈の酷い男性職員が紙束を手に入ってくる。
「失礼します。第六部隊より例のカルト集団の情報が届きました。こちら資料と情報が纏めてあるUSBです。」
「ご苦労様です。」
職員は竜胆に書類を渡すと、礼をして部屋を出て行った。
存在しか確認できてなかった為、思ったより時間が掛かったがある程度情報が集められたようで何よりだ。
諜報能力も高い第六部隊でこれなら他の部隊ではもっと時間がかかった事だろう。
いや、相手のこの慎重な動きを見るに第六部隊でないと尻尾も掴めなかったかもしれない。
あの動画が流れた日まで存在自体が知られてなかったのだ。
そこまで隠していた者達が情報を公開したという事は何かしら狙いがあるのは確実だろう。
「今すぐ確認されますか?」
「ああ。直近の書類は片付いているから、そちらを一度見せて貰おうかな。どんなことが書かれているか少し気になる。」
そう言いながら俺は目の前の書類を脇に寄せ、正面を開ける。
「良い報告だと良いのですが…。」
そう言うと彼女は俺の開けたスペースに資料を置き、ノートパソコンにUSBを差してファイルを開いている様子。
俺は資料を手に取りページを開いた。




