只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第二部隊隊長 巌ノ国 義重編 5
俺は隊員達を休ませている間、彼らに対するアドバイスを書き出していた。
1日目後半。
後半から各班にアドバイスをしてからダンジョンに潜らせ、言った事を意識しながら戦闘をするように指示を出した。
最初の方こそぎこちない班もあったが、帰還する頃にはそれぞれ何かを掴めたのか皆いい表情をしていた。
2日目。
前半は昨日の事を生かし各班との戦闘演習を昨日と同様に行い、班単位での連携力の向上を確認できた。
元々そう言った話し合い等はされていたかもしれないが、今回の事でより明確に分かる様になったといったところだろうか。
中には驚く程の向上が見られた班もある。
やはりマニュアル通りにはいかないという事だ。
特にダンジョンに複数名で潜る場合それぞれの適性が鍵になる事が多々ある。
大量の人員を派遣して人海戦術をとる事も可能だが、それでは行軍速度や部隊運用の資材等、普段の回収任務では効率が悪すぎる。
そういった作戦は一部のダンジョンで採れる資源や魔力結晶等が大量に必要になった時点で発令されることがある。
しかし、そういった作戦はこの組織が出来て最初の頃の復興を急いでた時には何度かあったが、復興が進み潜行者が増えた現在では発令される事は無くなった。
ギルドや無所属の者が増えたため、そちらの方からも資源の提供があるからである。
なので我々は資源の確保もするが、そのための基盤作りと管理に注力できるようになった次第だ。
より多くの人が安全で迅速にダンジョン産の資源を確保できるようになり、社会が回り経済活動が活発化する好循環を作り出せている。
こういった状況を維持、管理するためにも人手はあるに越した事は無い。
なので今の対策本部での基本方針は少数で先行し素早く目標を完了し帰還することに重点を持っている。
勿論要救助者の救助や行方無名者の捜索にはそれなりの人数で作戦を遂行するが、ダンジョンに入れば班行動が多い。
「よし、皆昨日より格段に良くなっているな。休憩と治療を終えた後、昨日と同様にダンジョンでの実践に入る。班の代表者は後でメモを取りに来てくれ。では、一度解散。」
『『『『『了解です!』』』』』
部隊員がそれぞれに動き散っていく。
俺は昨日同様、各班の気になったところをメモに書き出す作業に入った。




