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只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第四第八部隊素材納品依頼 8

反応を見る限りどうやら彼女の研究は行き詰まっているようだ。



彼女の研究は簡単に言うと人の成長段階を拡張するといったもの。

例えば成人後身体を成長させたり、永久歯が抜けてしまってもまた生えてくるようにするといったものだ。


これは幼く見える彼女のコンプレックスから来るものでもあるのだろうが、それを妄想で終わらせず実現しようと本気で挑んでいるのが凄いと思う。

心の中でエールを送るとしよう。


「それでですね!最近発見されたモンスターの中に驚くべき再生能力を持った個体がいてですね!私はこの個体を研究することで活路が見えると踏んでるんですよ!」

「そうかそうか、それは楽しみだな。」

「はい!」


研究者が自分の研究の進捗を簡単に話してしまっていいのかとは思うがこれは信頼されていると思っておこう。

俺は研究者肌でもないし彼女も問題ないと思っているのだろう。


そんな風に彼女の研究の話を聞いたり雑談をしながら通路を進む。

暫らく進むと先程までいた研究棟とは違い、金属や素材を加工する音、誰かの怒声、炎の熱量を感じる様になってくる。


「ここは相変わらずぎゃんぎゃん騒がしい場所ですね!」

「何時も活気があって賑やかだな。」


彼女の元気な声に何人か反応したのか、近くで作業していた数名がこちらに睨みつけるような視線を送ってきた。

しかし隣にいる俺に気付くと表情を変え、1人が奥に向かい、他の者はそのまま作業に戻る。


おそらく隊長である土倉(つちくら)を呼びに行ってくれたのだろう。

第四部隊と第八部隊の仲を考えると案内はここまでにしてもらった方が良いだろう。


「ここまでありがとう。すぐに代表が迎えに来ると思うから、戻って研究の続きに勤しんでほしい。」

「了解です!では失礼しますね!」


それだけ言うと彼女はそそくさと来た道を戻っていく。

悪い子ではないのだが正直すぎて少し心配になる。


離れていく背中を見送り少し経つと、予想通り先程離れて行った職人が土倉を連れてやってくる。

こちらに気付いた土倉は少し駆け足で近づいてくる。


「頭領!待たせたね!丁度面白いもんが出来たんだ!」

「おぉ、それは楽しみだな。じゃあその場所で素材を提供しよう。」

「そりゃいいね!さぁこっちだよ!」


そう言うと彼女は俺の手を取り奥に進み始めた。

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