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只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第四第八部隊素材納品依頼 7

彼は少年の様な無邪気な表情で素材を選び始めた。



シーサーペントの浮袋、グリフォンとマンティコアの翼一対づつ、ゴールドドラゴンの火線。

水藻の選んだモノは研究者らしい素材だ。


彼の好奇心によって選ばれたそれらは、研究しその機構を解明出来れば生物模倣技術に利用できる可能性があると思ったのだろう。

ダンジョンはそれそのものもモンスターの生態も含めて謎が多い。


研究者達の中ではその機構を人々の役に立てようと研究する者も多い。

水藻もその1人だ。


「いやはや、流石ですねぇ!ダメもとで頼んでみましたが、これ程とは!これは研究が捗りそうですねぇ!」

「全く…。これで許してくれるか?」

「もちろんですねぇ!この研究が進めばまた新たな技術が確立するかもですねぇ!」


上機嫌な彼を見る。

満足そうでなによりだ。


「これで今回の件は完了でいいか?」

「えぇえぇ、大満足ですねぇ!素材が大きいのでここまで来てもらって正解でしたねぇ。それにここなら直ぐにでも研究を始められますねぇ。」

「そうか、では俺は工房の方に行くから後は好きにするといい。」

「そうさせてもらいますねぇ。案内は…一番近くの研究室にいる白井(しろい)さんにお願いしますねぇ。」

「あぁ、ありがとう。」


水藻が自分の端末を操作し連絡を入れる。

部屋を出て扉の前で待っていると、数分もせずに呼ばれた研究員がやってくる。


「お呼びに預かり参上いたしました!白井 こもろです!」


少し離れた位置で敬礼しながら元気に自己紹介した彼女はここの研究員の1人である白井 こもろ。

小柄な体格を白衣で包み、童顔で瞳が黒く、茶色の髪をローポニーテールにまとめている。


魔力は殆ど感じず、その立ち振る舞いからダンジョンにはあまり潜らない一般的な研究員だという事が分かる。

前にも会った事があるが相変わらず元気そうで何よりだ。


「久しぶりだな。研究の方は順調か?」

「覚えていただけてて光栄です!それがなかなか上手く行かないものでして…タハハ。」


彼女は敬礼していた手を後頭部に当て苦笑いを浮かべる。

反応を見る限りどうやら彼女の研究は行き詰まっているようだ。

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