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只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第四第八部隊素材納品依頼 6

俺達は質問やその応答をしながら施設の奥に向かった。



しばらく歩き目的の場所に到着する。

目の前にはここに来るまでに見たどの扉よりも大きさの両開きの扉が佇んでいる。


水藻(みなも)が扉の隣の端末を操作し重い音をたてながら左右にスライドし開いていく。

中には謎の液体に入ったモンスターの体の一部や内臓の様な器官等、見ていてあまりいい気分になるものではないモノが大小様々な容器に入っている。


「ようこそ、私の実験室へですねぇ。」

「ここは相変われずだな。少し容器が増えたか?」

「最近は位の高い大物が増えてるようでしてねぇ。現場で対応できない場合は私もわざわざ出向いているのですねぇ。本来は研究や実験に専念したいんですがねぇ。」


愚痴をこぼす様に水藻が最近の出来事を教えてくれる。

これは他の部隊からも報告が入っており、隊長格やそれに準する者の緊急出動が増えているらしい。


「まあ、おかげで希少なサンプルを手に入れられているんですがねぇ。痛し痒しといったところですねぇ。」

「他の部隊からも報告を受けている。第六部隊が調査に出てくれているからそれの結果待ちだな。」

「おやおや。流石貴方は仕事が早いですねぇ。結果を楽しみに待っていますぇ。自然現象だろうと人為的なものだろうと、どちらにせよ私の好奇心が刺激されますねぇ!」

「…まあ、しばし待たれよってとこだな。」


恐らく始めからその(人為的な)可能性を考えていたのだろう。

水藻からはむしろそっちであって欲しいかのような雰囲気すら感じる。


人為的なモンスターの発生、強化。

上手く扱えれば大きなメリットになるかもしれないがあまりにも危なすぎる。


「まさかとは思うが…。」


嫌な予感がして水藻の方を見やる。


「嫌ですねぇ。そんな事を私がする訳ないですねぇ。もしその技術が存在するなら興味深いですが、それは私のポリシーに反しますねぇ。」

「この実験室ではあまり説得力は無いがな。」

「これは痛い所を突かれましたねぇ!」


水藻は額に手を当てケラケラと笑う。

ふと笑いを止め真面目な顔付きになり俺の目を真っ直ぐに見て言う。


「ええ、それだけは絶対にないですねぇ。私の結晶装備に誓って言えます。」

「そうか、それを聞けて安心したよ。疑って悪かった。」


そう言うと彼は表情を崩し、何時もの胡散臭い表情になる。


「信用していただき感謝ですねぇ。あ、謝意は言葉より物の方が研究者としては嬉しいですねぇ。」

「全く、ちゃっかりしてるな。」

「なかなか無い機会ですからねぇ。面白いモノをお願いしますねぇ!」


持ってきた素材を何個か取り出す。

彼は少年の様な無邪気な表情で素材を選び始めた。

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