只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第四第八部隊素材納品依頼 4
不思議と落ち着く暖かさと仄かにいい香りを感じすぐに眠りに落ちた。
身体が揺すられ目が覚める。
どうやら目的地に到着したようだ。
「おはようございます隊長。ダンジョン対策研究所に到着いたしました。」
「ああ、竜胆ありがとう。轟さんもご苦労様。竜胆はこのまま本部に戻って各所からの報告をまとめておいてくれ。」
「承知しました。コーヒーを淹れてお待ちしております。」
「ありがとう。轟さんは竜胆を送り終えたらそのまま業務終了で構わない。ゆっくり休んでくれ。」
「はい、了承いたしました。ありがとうございます。」
俺の言葉に竜胆と運転手である轟さんが返事を返す。
俺が車外に降りてドアを閉めると轟さんは会釈をし車を出す。
年相応の白髪に顔に刻まれた皺、ナイスミドルという言葉が似あう男性である轟さんの運転は丁寧でとても心地よい。
遠くなる車の背中を見送り振り返る。
そこには第四部隊研究所兼、第八部隊の工房になっているダンジョン対策研究所の建物が建っている。
コンクリートに見えるが実際にはあの訓練所と同じ素材で出来た壁が3m程の高さで施設をぐるりと囲み、壁の上には有刺鉄線が張り巡らされている。
情報漏洩防止の為車等乗り物での出入りは禁止され、門前の検閲所で身分と要件を伝えて確認後許可が下りなければ入る事は出来ない。
研究素材等は信用のある部隊の者が例の不思議な袋で運搬している。
高価な物も運んでいるのでその際は情報を徹底的に隠し、実力のある護衛を付けるらしい。
今の所運搬で問題になった事は無いらしい。
全く、ダンジョン発生前に比べて随分と治安も悪くなったものだ…。
それぐらい追いつめられている人々がいるという事なのだろうが、少しずつ良くなっているはずだ。
実際にあの頃に比べれば雲泥の差だ。
海外に行かせている者の報告によると外は世紀末の様な有様だと言う。
未だに我慢を強いる部分はあるが、この国は確実に日常を取り戻している。
あと数年もすればきっと落ち着くだろう。
…思考が逸れているな。
俺は入り口の厚い扉に手を掛け開ける。
「お待ちしていましたねぇ只野隊長。」
開けた先にはここの責任者の1人である水藻 探が何時もの胡散臭い笑顔で立っていた。




