只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第四第八部隊素材納品依頼 1
ダンジョン対策本部の長官室の扉をノックする。
中から上司である東 京生の声で入室許可が聞こえ扉を開け中に入る。
「やぁ。最近はよく活躍してくれているみたいだね。長官として嬉しい限りだよ。」
「はぁ。」
「ただ少し目立ち過ぎではないかね?君はそういったものにあまり興味は無いと思っていたのだがね?上からも何かと言われているよ。」
「そうですか。」
だから何だというのだろか?
最近知った事だが政府は意図的に俺の存在を隠そうとしている動きがある。
教育機関の教科書に載っているらしい記載に俺の記述が無かったり、あっても俺の人相や情報が載っていないと聞いた。
それはテレビや新聞といったメディア関係も関わっているのか、最初期こそ呼ばれたり取り上げられたりしたが最近では全くだ。
最近ではギルドや無所属の潜行者がよく呼ばれている様な気がする。
広報活動なら企業CMと白金の部隊の活躍でどうとでもなってるし、多忙な我々からしたら呼ばれようが呼ばれまいがどうでもいい。
「ところで、今回はどういった用件で来たのかね?…まさかまたではないだろうね。」
「そのまさかです。」
表情が引きつった上司に向け、懐に入れておいた書類を机の上に置く。
上司は溜息を一つつくと話始めた。
「これで何度目だったかね?」
「1年ぶり、4度目です。1度目はダンジョンを安全に管理するための組織を作ってからと言われ、ダンジョン対策部門の名の元にダンジョン対策特殊作戦部隊群を作りました。」
「そうだな、想定していたものより早く大きな組織が出来て管理するためにダンジョン対策本部が設立されたな。あの時は上の説得が大変だった。なんせ色んな危惧を示していらっしゃったからね。おかげで何かあったら私の首が色んな意味で飛ぶところだったよ。」
上司が懐かしそうに語る。
これは俺が初めて退職届を提出した際出された条件だ。
黎明期の時に一緒に潜った適合者を軸としたメンバーを集め組織し、仕事に困っている者を集めて適性を計り潜行者としての訓練や補給、事務としての仕事を割り振り形にした。
当時は食と住さえあればいいといったような状況の者も大量にいたため給料等は組織がちゃんと出来てからになってしまったが、その事に関して文句を言って来る者はいない。
今の規模の半分ではあるが、よく半年でこの規模の組織を作り上げたと思う。
あの時しっかり関係作りが出来たのが良かったんだろう。




